Japan Enters A New Era : A Special Coverage
(特集:新しい時代を迎える日本)
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日本は平成から令和の時代にどのように移行していくのか―。
英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」は、日本の御代替わりを分かりやすく世界に伝えようと、特集を組んで発信している。上の英文(日本語訳)は、その名称である。
4月1日の新元号発表には、世界から大きな関心が集まった。
欧米メディアには、日本在住の米国人大学教員の談話を引用し、令和の命名が「日本政治の右傾化を反映している」(米CNNテレビ)などと、日本のお祝い気分に冷や水を浴びせかける反応も一部にあった。だが、日本に関心のある人たちの反応はおおむね良好だ。
JAPAN ForwardのSNSには、「新しい御代がさらによいものとなりますように」「日本の古典から元号の名を取ったのは、中国から距離を置こうということか…」「万葉集が出典とは素晴らしい」「何て素晴らしい名称だ」といった書き込みが寄せられている。
とはいえ、その元号の意味や「天皇」とは何かを、簡潔、明確に語ることは、日本人でもたやすいことではない。なぜなのか。
「天皇を知ることは『日本』という国のあり方を知ること」だからだというのは、国学院大の藤本頼生准教授。同じ見出しのJAPAN Forwardへの寄稿で、答えを用意してくれた。
天皇は、2000年以上の歴史をもち、かつ125代、「万世一系」と呼ばれる一つの血統によって続いてきた。日本は、ほかに例を見ない実にユニークな国家なのである。
藤本氏は、天皇の意義について、戦乱や飢饉(ききん)で世が乱れても、「古代から現代に至るまで、神々と天皇と国民との絆を強め、日本という国を最善に治めるための一つの方策を指し示した」と説いていた。
世界では、スリランカの同時多発爆弾テロで多くのキリスト教徒や外国人が犠牲となり、ニュージーランドでもイスラム寺院を標的にしたテロで多くの移民が亡くなった。
「美しい調和」を意味する令和のメッセージが、日本はもとより、対立と憎悪が深まる世界に届くことを願わざるを得ない。
JAPAN Forwardは今後も、「和をもって貴しとなす」という日本人が大切にする価値観をさまざまな角度から世界に発信していきたい。
(JAPAN Forward編集部)
※「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています。