Dear Megumi: The New Reiwa Era Brings Us Hope for Your Return
(【めぐみへの手紙】新しい令和の時代は、あなたの帰還への希望を私たちにもたらしています)
北朝鮮による日本人拉致問題は、英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)が最も力を注いで報道に努めている国際・外交問題のひとつである。
上の英文(日本語訳)は、5月21日にJFが掲載した記事の見出しである。産経新聞が連載している【めぐみへの手紙】の最新記事(同5日付)を英語に翻訳したものだ。
英文記事は、「親愛なるめぐみ」との呼びかけで始まる。手紙では、42年前に新潟で北朝鮮の工作員によって拉致された当時13歳の横田めぐみさんに対する母親、早紀江さんの変わらぬ深い愛情がつづられる。
早紀江さんは、北朝鮮当局による嘘や、自ら高齢となり健康問題を抱える中で何度も絶望のふちに立たされながらも、「最後まであきらめてはいけない」と、めぐみさんと自分自身を鼓舞する。最新の手紙には、令和の時代に希望の光が見えてきたと記していた。
「毎回、涙無くして訳すことはできません」。翻訳者がそう語る手紙には、拉致被害者家族の苦悩が投影され、海外の読者からの共感を得ている。
「読む度に心が張り裂けそうになる」「なんとしてもめぐみを返してほしい」「北朝鮮を生んだロシアこそが(拉致)問題解決で日本を助けるべきだ」「トランプ(米大統領)と、安倍(晋三首相)のコンビネーションなら(北朝鮮が)動くかもしれない」…。
記事のコメント欄やSNSには、こんな書き込みが残されている。
トランプ大統領は実際、今年2月にベトナムのハノイで行った北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との2回目の米朝首脳会談で、2日間にわたり、拉致問題を取り上げ、何度もはぐらかそうとする金委員長に問題の解決を迫り、安倍首相と会談する用意があるという言質を取るに至った。
令和となって初の国賓として来日したトランプ大統領は5月27日、拉致被害者家族と面会した。トランプ氏は平成29年11月の来日時にも被害者家族に面会しており、拉致問題の解決無しに制裁は緩和されないという北朝鮮への明確なメッセージとなろう。
拉致被害者家族会や「救う会」が5月19日に東京都内で開いた国民大集会では、拉致問題の解決を求める署名1341万筆以上が初公開された。
「救う会」会長の西岡力モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授は「国際連携と制裁の圧力で、取引に彼らを引き出すところまできたが、これからが最後の勝負だ」と語る。
拉致問題の解決なしに、北朝鮮の未来はない―。JFはそんなメッセージを世界に発信し、問題の解決を促していきたい。
(JAPAN Forward編集部)
※「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています。