Tokyo 2020 Paralympic Games - The Tokyo 2020 Paralympic Games Opening Ceremony

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PARALYMPICS Opening Ceremony Delivers Aspirational, Upbeat Performance

 

(強い願望と明るさを世界に伝えたパラリンピック開会式)

 

 

「希望の光を見せてくれた日本に、心から感謝したい」「この災禍の中、大会を実施し、安全に大会を運営した東京、日本の人々に敬意を表したい」「アリガトウ、ニッポン」…。英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)の編集部には東京五輪後、こんなメッセージが世界からいくつも届いている。

 

24日夜には、国立競技場で東京パラリンピック大会が開幕した。上の英文(日本語訳)は、JFが報じた開会式の記事の見出しである。感染力が非常に強い新型コロナウイルス・デルタ株が猛威を振るう中で開幕した大会に不安がないといえばうそになる。

 

しかし、リスクがありながらも、いまできる最善の対策を講じて1年遅れでも開会にこぎつけた日本への感謝の念は、国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長が開会式の挨拶で、「アリガトウ」との日本語を交えて語った言葉にも表れていた。パラリンピック・アスリートは「希望の光だ」とも語っていた。

 

東京は、夏季パラリンピックを2回開催した史上初の都市となった。JFの記事では、スポーツが困難を克服し、人々の心と社会に変革をもたらす力だというメッセージを、「私たちには翼がある」というパフォーマンスで東京から力強く発信したと伝えた。海外メディアも「力強い式で大会が始まった」(英BBC)などとする高評価が目立った。

 

JFは、東京五輪をめぐり、コロナ禍で開催してよかったのかどうかについて五輪後、日本の新聞の論調が本紙を含む肯定派と否定派に分裂した実情や、感染拡大への不安を抱える国民感情なども伝えた。

 

「もし東京五輪が中止となり開かれていなかったら、この夏は先の大戦に続く日本の二度目の敗北と挫折の年として、記憶に刻まれていたことだろう」

 

そう始まる本紙論説委員兼政治部編集委員、阿比留瑠比氏のコラムでは、「第二の敗戦」は回避できたのはよかったものの、五輪開催を通じて、日本の立法府の有事対応への遅れなど戦後日本社会のひずみが浮き彫りになったと喝破した。JFは五輪にまつわる日本の苦悩も発信した。

 

東京五輪は、国威発揚も菅政権の浮揚ももたらさなかった。五輪はコロナ禍を理由に無観客となり祝祭気分は半減し、海外からの観客来日はなくなり経済効果も消え去った。それでも日本は、世界の信頼と感謝を勝ち取った。

 

しかし、イスラム原理主義勢力、タリバンの攻勢で政権が崩壊したアフガニスタンではいまも、五輪の目指す平和とはほど遠い大混乱の中にあり、世界を不安に陥れている。「失ったものを数えるな。残された機能を最大限に生かそう」。「パラリンピックの父」と呼ばれる英ストーク・マンデビル病院のルードウィッヒ・グットマン医師の言葉だ。それは大会の精神となった。コロナ禍で多くのものを失った世界にとって示唆に富む言葉である。

 

大会も残すところ1週間。JFはコロナ禍が収まるのを祈り、連日、力の限界に挑み、熱戦を繰り広げている選手たちを応援したい。そして、「ないものを嘆くのではなくあるものを活かすことを学ぶ」という大会のメッセージを世界に発信していきたい。

 

(JAPAN Forward編集部)

 

 

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※「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています。

 

 

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