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China's Grandiose 'Belt and Road' Initiative Has Flopped
(中国の巨大構想「一帯一路」は失敗した)
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日本の目と鼻の先にある台湾は、台湾統一をもくろむ中国からの軍事的圧力にさらされている。先週米国で開かれた米中首脳会談では、その台湾をめぐって米中双方が一歩も譲らず、対立が浮き彫りになった。
米中会談に先立つ11月8日、「日台連帯で守る自由アジア」をテーマに国際政治学者の藤井厳喜氏らが企画したシンポジウム「ONE TAIWAN 2023」が都内のホテルで開かれたので、出かけた。
台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)の謝長廷代表の基調講演が実に印象深かったので、以下、要約して紹介したい。
アジアの民主主義大国、日本には、アジアの自由を守る責務がある。だが、愛する国土と自由を守るには、力が必要だ。力なき愛は悲劇である。日本には、抑止力が必要なのだ。
なぜ、日本と台湾の連帯が必要なのか。台湾は、中国が対米国防ラインとする第1列島線上にある。中国の最終目的は、台湾を拠点に外に拡大すること。民主主義の砦(とりで)である台湾が消滅することは、民主陣営の惨敗を意味する。世界の最先端半導体の9割を生産する台湾の平和を守ることは世界の利益。中国が台湾封鎖を決定すれば、世界の損失は数兆ドルに及ぶと試算されている。取り返しのつかない損失になる。
平和は日本の国益。台湾と日本は平和の共同体だ。平和こそが世界にとって最も重要な利益なのだ。世界のすべての人、国は平和を守る責任がある。信頼できるパートナーである日台が協力すれば、アジアの民主主義をより効果的に守ることができる。
何を為(な)すべきか。抑止力を発揮するには、台湾問題を中国の内政問題とさせず国際化することが重要だ。第2に、一方的な現状変更を許さない強い決意を示すこと。第3に、平和こそが世界にとって最重要利益であることをアピールし、世界に求めていくこと。第4に、日米豪などの民主陣営は結束の意思を示すこと。最後に、戦争になれば中国の若者も死ぬこと、平和こそが最大の利益であることを中国人民にも訴え、知らせなければならない。
2年前、民主陣営はウクライナへの支持を示さなかった。だから、ロシアは侵略した。2年前に犯した過ちを台湾で繰り返してはならない。「今日のウクライナは、明日の台湾」というフレーズは、われわれ民主陣営への警鐘だ。
抑止力があり、強い意志を示したならば、日本と台湾は決して負けない。
以上が講演の内容だが、驚いたのは3000人を超える来場者が熱心に話を聞いていた事実だ。
イベントでは、来年1月の台湾総統選に出馬する与党、民進党の候補、頼清徳副総統らがメッセージを寄せたほか、台湾の有名ロックバンド「董事長楽団(The Chairman)」の演奏もあり、会場を盛り上げた。
藤井氏は、中国がすでに2028年の総統選を見据えて、立法院(国会)での与党議席の半数割れを狙って工作活動を展開していると指摘。日本政府が台湾の法的存在を認め、日本版台湾関係法を制定して、台湾と安全保障上の連携を進めることなどを求めた決議文を採択して閉幕した。
上の英文(日本語訳)は、英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)がこの2週間に掲載した記事の中で最も読まれた記事の見出しである。本紙の古森義久ワシントン駐在客員特派員が執筆した記事だ。
巨大経済圏構想、一帯一路の失敗や不動産バブルの崩壊、若年層の失業などで不満が高まる中、中国の習近平政権はどう出るのか。台湾有事が起きれば、世界の民主主義は敗北の道を歩むだろう。JFは中国と台湾の情勢を注視していきたい。
筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)
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2023年11月20日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています