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(Inside image ©Taki Kensetsu Kogyo)

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Taki Kensetsu Kogyo, a Small Yet Remarkable Multinational Company

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(小さいけれど素敵な多国籍企業 ~北海道千歳市の瀧建設興業~)

 

英語ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)の生みの親で、本紙顧問を務める太田英昭代表(77)が先日、突然、「地元、北海道の小さな会社が面白いので取材したい。記事を書くので掲載を検討してほしい」と頼んできた。約7年前にJFがスタートして以来初めてのことだ。そんなボスの〝願い〟を聞かないわけにはいかない。

 

早速、日本語で書かれた原稿を英訳、編集して日英両方の記事を掲載した。上の英文は英語記事の見出しで、カッコ内は日本語記事の見出しである。

 

相互理解を深める努力

 

文字通り、小さいが素敵な会社だった。ただ、一般にいわれる「多国籍企業」ではない。複数の国を舞台に生産、流通などの拠点をもつ世界企業とは程遠い年商5億円。それでも全従業員70人弱の4割以上が外国人で、内訳は、ベトナムやバングラデシュ、スリランカ、インドネシア、ラオス、インド、ミャンマーなど8カ国の若者たちという多国籍チームである。

 

求人難から初めて採用した外国人に逃げ出されるといった失敗に学んだ。その反省に立ち、外国人側に立った日本での生活マニュアルを手作りで作成したり、安全に仕事をするための手引書を各国語で作成したりした。国際交流イベントを企画したり、地元の祭りに参加してもらったりと、相互理解を深める努力を続けているという。

 

国家的課題となる移民問題

 

しかし、現実には言葉の違いによるコミュニケーション不足、宗教や生活習慣の違い、あるいは日本人の一部にある人種的偏見、長時間労働や低賃金など劣悪な労働環境による人権侵害の問題など、日本各地でさまざまなトラブルが増えているのも事実だ。

 

そうした問題に、39歳の社長が「日本人社員の意識改革が重要で、それぞれの国の民族性や人種同士のいがみあいまで学ばなければならない」と述べていたのは印象的だった。

 

太田氏は最後に、難民、移民問題が欧米の分断や分裂につながりかねない国家的課題となる中、「外国人労働者を〝移民〟として受け入れていくのかどうかなど、国の将来の重要なテーマとして、本格的に議論しなければならない時代に突入しているのではないか」と締めくくった。同記事はJFの日本語ページで読むことができる。

 

記者団の取材に応じるファーストリテイリングの柳井正会長兼社長=2024年8月1日午前、東京都江東区

 

外国人労働者をめぐっては、「ユニクロ」の柳井正会長兼社長(75)が移民受け入れによる生産性向上などを訴える発言をしたことに、ZOZO創業者の前沢友作氏(48)が反論するなど、日本の著名実業家たちが参戦しネット上で熱い議論を展開している。

 

日本社会のイノベーション

 

日本は、確かに人口減少による労働力不足の問題に直面するほか、今年初めの石川県能登半島地震に次ぐゲリラ豪雨・洪水といった複数の災害リスクがある。虎視眈々と日本の領土や資源、技術の奪取を狙う覇権国家、中国の台頭は、日本にとって脅威である。

 

日本の新たな首相には、そうした脅威やリスク、数々の問題に対処しながら活力ある民主国家、日本を前進させる重大な責務が課せられている。

 

その成否のカギはどこにあるのか。親日外国人労働者たちとともに学びながら業績を拡大している先ほどの「多国籍企業」には、日本人と親日外国人が同じ方向を向いて協力することの重要性が描かれていた。そこに、日本の価値観を世界に広げ、いままさに日本が必要としている日本社会のイノベーションを起こす種があるように思う。

 

JFは、小さいながらも日本を愛する日本人と外国人からなる多国籍、多文化のチームだ。分断を招いている欧米とは異なる日本流の多国籍化への道を探っていきたい。

 

(JAPAN Forward編集長 内藤泰朗)=次回は10月28日掲載予定

 

筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)

 

 

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2024年9月30日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています

 

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