Toshihiko ISAO at his Atelier in 1970

Painter Toshihiko Isao in his atelier in 1970.

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東京郊外に広がる武蔵野を半世紀以上、描き続けてきた洋画家、悳俊彦(いさお・としひこ)氏の小回顧展が7月2日から6日間、練馬区立美術館区民ギャラリーで開かれる。悳氏の最初期のスケッチから、抽象時代を経て再び武蔵野に回帰したその変遷と現在までの歩みがわかる作品や書籍など約60点が展示される。

 

悳俊彦「雪野」油彩作品 M100 号 2018 年 Photo by HORIKAWA, Hiroyuki

 

悳氏は、浮世絵師・歌川国芳のコレクターでもあり、浮世絵関連書籍の著作者としても知られる。練馬区立美術館で2016年に開催された「国芳イズム―歌川国芳とその系脈 武蔵野の洋画家 悳俊彦コレクション」では、浮世絵コレクションに加えて悳氏の油絵の大作10点が展示され好評を得た。悳氏は、JAPAN Forwardで【アトリエ談義】を連載中で、浮世絵にまつわる話や武蔵野の魅力などを芸術家、コレクターの視点で発信している。

 

悳氏が魅せられた「武蔵野」は、平安時代より歌に詠まれ、文豪、国木田独歩(1871-1908)の随筆「武蔵野」(1901年発刊)では、どこまでも広がる林間の自然美が綴られ、自然と人間とが調和していた世界が描かれている。その「武蔵野」も、東京、そして東京圏の発展とともに失われてきた。

 

悳俊彦「木と太陽」F6 油彩/カンヴァス 2024 年 Photo by HORIKAWA, Hiroyuki

 

悳氏はその著述の中で、「『武蔵野は月の入るべき山もなし、草より出でて草にこそ入れ』と古歌に詠まれた古き武蔵野。自然と人間とが仲良く混然と溶け合っていた独歩の頃の武蔵野。そして現在の武蔵野と、この⻑い武蔵野の歴史の一ページに生きている私達は、もう一度自然と人間との係わり合いについて考えてみる必要があろう」と記している。

 

入場は無料。小回顧展の詳細は以下のとおり。

 

 

  • 展覧会タイトル:「武蔵野の画家 悳俊彦の89年」(小回顧展)
  • 会期:2024年 7月2日(月)― 7日(日)10:00〜18:00
    ※ 初日 は12:30 より  最終日 は16:00まで
  • 場所:練馬区立美術館 区民ギャラリー 入場無料
    (西武池袋線中村橋駅下車徒歩3分)

 

悳俊彦「冬の玉川上水」F100 油彩/カンヴァス 2009 年 Photo by HORIKAWA, Hiroyuki

 

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著者:JAPAN Forward

 

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