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Kiyomizu Temple in Higashiyama, Kyoto, crowded with tourists during the Golden Week holidays. (© Sankei by Yuta Yasumoto)
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人々が薄着になる初夏は痴漢や盗撮などの性犯罪が増える傾向にある。新型コロナウイルス禍から「平時」へ移行し、世界中の観光客でにぎわう今年の京都でも混雑に乗じた犯行が散見される。世界遺産の京都・清水寺(京都市東山区)ではサンダルにカメラを仕込んでインバウンド(訪日外国人客)の女性を狙う盗撮男も出現。京都府警は摘発を強化するとともに、身を守るための対策も呼びかけている。
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サンダルに長ズボンの理由
5月18日午後、清水寺の本堂。インバウンドや修学旅行生らで混雑する「清水の舞台」をワンピース姿で観光していた米国人女性(30)に、接近する男(53)がいた。
長ズボンの男は背後から距離を詰め、履いていたサンダルを女性のスカートの下へ。スリッパ型で甲の部分にいくつかの通気孔が開いた、よく見かけるデザインのサンダルだった。
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不審な動きに気付いた女性が目を向けると、男はその場を離れ、別の女性の方へ向かった。一連の動きから犯罪を確信した米国人女性が声をかけると、男は逃走。しかし周囲の観光客らに取り押さえられ、京都府警東山署が府迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。
同署によると、男のサンダルには仕掛けがあった。穴に取り付けられていたのは上向きの盗撮用レンズ。ケーブルを長ズボンの中に通し、ポケットに隠したモニターで映像を確認できる仕組みだった。
調べると、他にも10人以上の女性が同様の被害に遭っていた疑いが浮上。男は「10年くらい前から盗撮を繰り返していた」と供述しているといい、同署が捜査を進めている。
筆者:荻野好古、木下倫太朗(産経新聞)