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Yasuko Kanazawa (L), Shoko Kanazawa (R) (© JAPAN Forward)

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ダウン症の天才書家として注目を集める金澤翔子さんと母・泰子さんの人生を描いた初のドキュメンタリー映画『共に生きる 書家金澤翔子』が完成し、5月9日、完成披露上映会が都内で行われた。作品は、6月2日から日本全国で劇場公開されるほか、英語版も準備中だという。

 

2021年、森アーツセンターギャラリーで開催された個展「つきのひかり」で祈りを捧げる金澤翔子さん(©JAPAN Forward)

 

9日の上映会には、約140人が来場。翔子さんと泰子さんのほか、監督の宮澤正明さんが登壇し、宮澤さんは「書はもちろん素晴らしいのですが、翔子さんは書く前に正座をして祈りを捧げる。それは彼女にとっての『心の掃除』のようなものです。その姿勢には、私たちにも教えられることが多いですね」と語った。

 

この“祈り”について、翔子さんは他界した父に向けて「『お父さま、うまく書かせてください』と願って描いています」と明かし、映画については「元気と愛と感動を届けたいと思います。楽しみにしててください」と笑顔でコメント。

 

泰子さんも「翔子もそろそろ38歳になります。翔子の生き方や私たちの生き方が、子育てをしているお母さまや障がい者をお持ちの家族にとっての希望の光になったらな」と願いを語った。

 

特別応援ゲストとして登壇した野田聖子さん(左)=5月9日(©JAPAN Forward)

 

特別応援ゲストとして衆議院議員の野田聖子さんも来場し、知的障害を持つ長男との心温まるエピソードを紹介、金澤親子と抱擁する場面も。

 

作品のエンディングテーマ曲には、シンガーソングライターの森山直太朗さんの『泣いてもいいよ』が選ばれた。会場では、涙を流している人の姿もみられた。

 

作品は、翔子さんと泰子さんの日々の活動や全国巡回展に密着し、母娘がともに生み出す「書道」と、親子の幸せの形に迫った。母娘二人の共同作業によって開花した天賦の才能や、困難を乗り越えてきた姿が描かれる。

 

2020年の「新年の一字」を揮毫する金澤翔子さん(左)と母・泰子さん(©JAPAN Forward)

 

生まれてすぐにダウン症と診断され、5歳から書家である母に師事して書を始めた翔子さんは、数々の苦難を乗り越え、書家として一流の舞台まで上り詰め、多方面で活躍。昨年10月には、東京タワー文化大使に任命された。

 

Shoko Kanazawa at the Tokyo Tower
2022年10月、東京タワー文化大使に任命された金澤翔子さん(©JAPAN Forward)

 

障がいという逆境の中、歩む親子の姿は、多くの人たちの障がいへの考え方を変えていくことになるのではないか。

 

著者:ショーン・フェルナンド(JAPAN Forward記者)

 

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