日本の若者たちにダンス人気が加速している。今夏も高校のダンス部日本一を決める「第12回日本高校ダンス部選手権スーパーカップDANCE STADIUM」(産経新聞社など主催)が行われ、高校生たちによる熱演が繰り広げられた。英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」が注目したのは、女子教育のために立ち上がり、2014年、17歳の史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさん(22)をテーマにした作品だ。入賞は逃したが、マララさんの訴えは日本の女子生徒たちに影響を与えている。
「One book and one pen can change the world. (一冊の本、そして一本のペンが世界を変える)」
マララさんが国連で演説した際に語ったこの言葉に感銘を受けて、ダンスを創作したのは、トキワ松学園高等学校(東京都目黒区)のダンス部だ。英語の授業で学んだことをきっかけに、貧困や差別に苦しむ子供たちが世界には数多くいることを表現するため、子供や女性の人権擁護活動を続けるマララさんをテーマに選んだという。
「We are Malala!(私たちはマララです!)」
その言葉で始まる舞台は、パキスタンで女子が教育を受ける権利を訴え、武装勢力の銃撃を受け、重傷を負いながらも不屈の精神で活動するマララさんを、全身全霊を込めた踊りで表現。未来への希望のメッセージで締めくくり、拍手喝采を浴びた。
「マララさんが世界中の子供たちや女性に勇気を与えてくれたことを、この作品をとおして伝えたかった」「日本は戦後、平和が続いているが、世界では依然、紛争が続く。学校に通えない子供たちがいることを忘れてはいけないし、こうしてダンスを踊れていることが当たり前ではないことを心に刻み、演技しました」「私たちが大人になり、社会を変えていく勇気をもらえたことに感謝したい」…。ダンス部の女子部員たちは演技後、口々にこう語った。
彼女たちの舞台は、子供でも、女性でも、自分たちが考え、自分たちのやり方で表現し、発信をする大切さを示した。そして私たちは紛争が続く世界で、どう平和を築いていくのか-。困難があっても、希望を胸に勇気を持って前進しよう!そんなメッセージが込められていた。