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ラクロスU20女子世界選手権大会は、8月15日から香港・九龍で開催され、20カ国・地域の代表チームが参加している。日本は予選リーグ戦を首位で通過して21日に準々決勝でイングランドと対戦、12対6で見事大勝して準決勝進出を決めた。日本女子がU20選手権で準決勝に進出するのは初めて。22日の準決勝で日本はカナダと対戦し、メダルを狙う。
アジアで初開催のU20選手権大会
前回までは19歳以下(U19)として開催されていたが、新型コロナウイルス感染を挟んで20歳以下に変更された。1995年から4年ごとに開催された大会は今回で8回目。女子のU20世界選手権がアジアで開催されるのは初めてになる。
香港ラクロス協会は1993年に設立され、香港でのラクロス人口は約700人と少ないものの、中国、台湾とラクロスの普及が進んでいる。
U20選手権の参加選手は大学生が多いため、今回開催時期は学生が夏休みの8月となった。8月は香港の雨季にあたるため、当初予定していた天然芝のグランドが天候により使用できなくなり、大会開催後に急遽人工芝のグランドに変更されスケジュールが大幅変更された。
日本の目標は3位以内
コロナ禍前に開催された2019年のU19女子選手権では日本は世界5位の成績。今回は予選リーグで初戦のアイルランドに12対11で惜敗したものの、ジャマイカ戦では21対3で快勝した。続く18日のイングランド戦では格上(世界4位)の相手を12対7で撃破、20日の香港戦でも17対2で悲願の準々決勝進出の切符を手に入れた。
今回日本が狙うのは3位以内の成績だ。21日の準々決勝では再び因縁のイングランドと対戦し、前半までは同点で競り合ったが、後半に日本は果敢に得点を追加して12対6のダブルスコアで堂々の勝利を決めた。
日本の3つの秘密兵器
今回、日本には3つの秘密兵器がある。それは、代表選手の3名が本場米国でラクロスをプレーしている学生なのだ。
主将を努める中澤ねがい選手はラクロスのNCAAディビジョン1のルイビル大学(ケンタッキー州)の2年生。元サッカー日本代表の中澤佑二さんの次女である。お姉さんのこころさんもルイビル大でラクロスをプレーしている。香港の世界選手権大会初戦のアイルランド戦では、激戦で後半に歯を折るけがを負いながらも、翌日のジャマイカ戦以降も出場している。「アイルランド戦では悔しい思いをしたけれども、落ち込まないで次の勝利を目指した」と気持ちを切り替えた。中澤は予選リーグで合計4得点を決めた。
北川メガン選手はエール大学の2年生。生まれて間も無く米国に渡り、5歳からラクロスを始めた。
20日の香港戦では6得点して、最優秀選手賞(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)を受賞した。「28年のロサンゼルス五輪にも日本代表として出たい」と抱負を語った。
最後は、チーム最年少の東江ケイラ美空選手。15歳のカリフォルニア州の高校1年生だ。米国で生まれ、8歳からラクロスを始めた。
2022年に米国メリーランド州で開催された女子世界選手権大会をテレビで見て「私も日本の選手として活躍したい」と憧れた。日本代表選手公募に応募し、今年3月から月2回程度の練習会に米国から通い、見事代表選手に選ばれた。予選では計6得点を果たし、チームに貢献している。
今後3年間はアジアでの大会が連続開催
2025年には韓国でU20男子世界選手権大会が開催予定。26年と27年には日本で女子と男子の世界選手権大会の開催が予定されている。そして28年にはロサンゼルス五輪でラクロスの120年ぶりの競技復活が待っている。日本を含め世界の若者の希望がロス五輪に向けて注がれている。
筆者:海藤秀満(JAPAN Forwardマネージャー)