Emperor Emeritus

Emperor Emeritus Akihito and Empress Emerita Michiko on the occasion of his 89th birthday, at the Akasaka Imperial Palace in Moto-Akasaka, Tokyo. (© the Imperial Household Agency)

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上皇さまは12月23日、89歳の誕生日を迎えられた。譲位から約3年を経て今年4月、子育てをした思い出の地である赤坂御用地の仙洞御所(東京都港区)に移り、上皇后さまと規則正しい生活を送られている。7月には心臓の弁の不調による「右心不全」の診断を受けたが、その後の治療で改善傾向にあり、控えていた運動の量も少しずつ、増やされているという。

 

朝夕の散策では、上皇后さまと言葉を交わしながら、御用地に飛来する鳥などをご覧に。同じ敷地内にお住まいの秋篠宮さまと一緒になることもあり、以前に御用地で暮らしていた頃を思い出して、懐かしそうにされているという。

 

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沖縄復帰50年記念特別展「琉球」を鑑賞される上皇ご夫妻 =6月9日、東京都台東区の東京国立博物館 (代表撮影)

 

新型コロナウイルス禍で外出を控える中、6月には沖縄の本土復帰50周年に際し、都内で開かれた展覧会に足を運ばれた。長年交流のあった英国のエリザベス女王が9月に死去した折には、親交に感謝しつつ、冥福を祈られた。夕食後の日課としている若い側近らとの対話の中で、昭和28年、女王の戴冠式で初めて訪英したときのことを振り返られる機会もあったという。

 

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両陛下主催の答礼晩餐会でエリザベス女王と話される天皇陛下(現上皇さま)=1998年5月、ロンドンのビクトリア・アルバート博物館(共同)

 

ライフワークのハゼの研究も続けられている。現在は皇太子時代に手がけた2つの研究課題について、高解像度の顕微鏡による観察やCTスキャンを用いた解析との比較など、新たな角度で再検討を進められている。関係者によると、4月に葉山御用邸(神奈川県葉山町)に滞在した際には、近くの川で行われた職員によるハゼの採集の様子をご覧になったという。

 

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研究のため、顕微鏡を使われる上皇さま=2018年7月26日、皇居・生物学研究所(宮内庁提供)

 

上皇さまのご様子について、研究を支える上皇職御用掛の林公義さん(75)は「新しい研究手法の映像を見て、『これはハゼで使えないか』と提案されることもある。以前に書いた論文が、今も有効か、ということを追究されている」と話す。

 

 

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