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今から27年前の1997年2月5日、中国の弾圧政策に抗議するウイグルの若者たちがグルジャ(中国名・伊寧)で平和的なデモ行進を行った。中国の武装警察はデモ隊に発砲し、これを鎮圧。その後も広範囲の無差別拘束が続き、グルジャからは若者の姿が消えた。
後には拘束された人々の凍死、拷問死、釈放後に精神を病んだ人など多くの悲惨なケースが報告されたグルジャ事件である。当時は通信手段が限られたうえ、厳しい情報統制のため世界は実情を知らず、中国が国際社会から厳しい制裁を受けることもなかった。日本は事件の翌月、中国の核実験を理由に原則凍結していた無償資金協力を再開すらしている。
中国はその後、日本を含む先進国の経済支援や技術支援によって飛躍的な経済成長を果たし、中国共産党の独裁政治を盤石にした。もしあの時、国際社会が事件に注目し経済支援などをやめていれば、中国は今のような国際秩序を脅かす巨大モンスター国家になっていなかったかもしれない。
筆者:レテプ・アフメット(日本ウイグル協会会長)