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10月17日から2日間、中国政府主催の「第3回『一帯一路』国際協力サミットフォーラム」が北京で開催され、関係国の首脳が集まった。今年は習近平国家主席肝いりの「一帯一路構想」が発表されて10年という節目の年である。中国政府は当初から、外交力と宣伝力を総動員して、サミットを「歴史的盛会」にしようと力を入れていた。
しかし蓋を開けてみると、会議は「一帯一路」という世紀の大プロジェクトの凋落(ちょうらく)を浮き彫りにする結果となった。それは、3回目である今回のサミットに出席した国家元首や政府首脳の数を見れば一目瞭然である。2017年5月に北京で開催された1回目のサミットには中国以外に29カ国の元首・首脳が出席した。19年4月開催の第2回サミットに元首・首脳級人物が出席した国々の数はさらに増えて38カ国に上った。
しかし、今回のサミットで中国政府は一切、首脳級人物が出席した国々の数を発表しなくなった。出席者名簿の正式発表すらない。習主席らが北京で行った首脳会談などの情報から、中国以外におよそ23カ国の首脳が出席していたことは判明したのだが、その数は、1回目を下回り、2回目の6割程度にとどまった。
筆者:石平
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2023年10月26日付産経新聞【石平のChina Watch】より