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「グロッシ、ゴーホーム(帰れ)!」-。韓国の左派が東京電力福島第1原発の処理水を巡り国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長を激しく攻撃し、国際社会をあぜんとさせた。左派の反日の背後には、彼らをたきつける中国共産党の影がみえる。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権によって日米韓の同盟の輪が強化されているが、中国の習近平政権はこれに再三、不快感を示してきた。駐韓中国大使は韓国野党に「汚染水」での反日共闘を呼びかけ左派を勢いづかせた。中国は表で尹政権に圧力をかけ、裏では政治工作で韓国政界の分断を仕掛けている。
中国の「真綿戦術」
中国の韓国牽制(けんせい)は尹大統領が4月に国賓訪米したのを機に際立ってきた。米韓は首脳会談で「ワシントン宣言」を発表、「米韓核協議グループ」(NCG)の新設を決めて同盟を強化した。日韓関係も5月の岸田文雄首相の訪韓で12年ぶりのシャトル外交が復活、日米韓の結束は近年では最高水準に引き上げられた。
筆者:久保田るり子(産経新聞)
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2023年7月15日付産経新聞【久保田るり子の朝鮮半島ウオッチ】より