Crown Prince Akishinonomiya to Vietnam 006

Crown Prince and Princess Akishino stroll around the old town of Hoi An in the suburbs of Da Nang, central Vietnam, on September 23. (©Kyodo)

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秋篠宮ご夫妻は9月29日、外交関係樹立50周年を迎えたベトナムを訪問したことについて、宮内庁を通じて感想を公表された。全文は以下の通り。

 

 

(上)から続く

 

ベトナム中部ダナンの空港に到着し、歓迎を受けられる秋篠宮ご夫妻=9月23日午後(代表撮影・共同)

 

今次訪問中には、ハノイの他に中部のダナンとホイアンを初めて訪れました。

 

ダナンは、ベトナムで3番目に人口が多い都市で日本の企業も進出しています。それら企業の方々やJICA海外協力隊の隊員、教育に従事している方々と懇談をして、この地の様子を伺うことができました。また文仁は、済生会の総裁をしていることから、同会が創立100周年の一環事業として始めた「ダナンがん病院」の医師の研修受け入れに参加した医療従事者と懇談をしました。

 

ホイアンへの訪問は、17世紀を最盛期として、かつての朱印船貿易の拠点となり、多くの日本人が居住した「日本町」があったとされる旧市街の「日越文化空間」を訪ねることにありました。この場所で見た、長崎県より寄贈された御朱印船に、遠くからはるばる当地に来た日本人の商人たちの活躍に思いを馳せました。

 

また、有名な色とりどりのランタンが飾られるホイアン旧市街地を歩き、「日本文化の家」に着きました。訪ねてきた人たちにベトナムの人たちが折り紙や茶道、書道を紹介している様子を見ることができ、また長崎県や堺市などに縁(ゆかり)のある展示もあり、日本とのつながりをとても大切にしていることが感じられました。

 

ベトナム中部ダナン郊外にあるホイアン旧市街を訪れ、風景画などを販売する店に立ち寄られる秋篠宮ご夫妻=9月23日(共同)

 

そして、ホイアンの名所でもある「日本橋(来遠橋)」は現在修復中で、JICAが技術支援を行っています。17世紀に日本町の日本人が建てたとされており、その当時の建築材が出土しているそうです。現在見ることができるものは、その当時のものではないと言われていますが、この橋が造られた当初は、どのような形の橋だったのかを想像しながら、いつの日かこの橋を渡ってみたく思いました。

 

日が暮れ、月夜に照らされたホイアンの夜景は大層美しく、アニオー姫の名前であるゴック・ホア王女通りを、灯がついたランタンや精霊流しを見ながら歩きました。

 

滞在の最終日には、4世紀から13世紀にこの地を治めていたチャム族の国チャンパ(林邑国)のミーソン遺跡を見学しました。いろいろな所で遺跡見学をすることは、私たちの楽しみでもありますので、今回行ってみたい場所の一つでした。

 

レンガを主材料として、その一部が砂岩で造られている赤い色をした祠堂は美しく、内部はレンガを僅かにずらしつつ積み上げていく技法が用いられていました。とくに、これら隙間がほとんどないレンガをどのように接着をしたのかについては、大いに興味をそそられました。

 

ベトナム中部ダナン郊外にある世界遺産・ミーソン遺跡を見学される秋篠宮ご夫妻=9月24日(共同)

 

今回、5泊の滞在でしたが、その間にハノイとダナン、ホイアンを訪れ、いくつもの日本と縁(ゆかり)のある場所を視察することができました。また、さまざまな立場で両国関係に尽力をしている方たちとも交流することができ、私たちにとって有意義な旅になりました。

 

今次訪問に当たっては、国家主席閣下ご夫妻、国家副主席閣下、そしてさまざまな関係者から大変ご丁寧にお迎えいただくとともに、行く先々で多くの人たちに温かく迎えていただき有り難いことでした。私たちの訪問に際し、力を尽くしてくださり、心を寄せてくださった多くの方々に感謝の意を表します。この50周年を里程標として、日本とベトナムとの友好親善関係がさらに深まることを心から祈念しております。

 

 

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