Judo

[Judo Grand Slam Tokyo 2022] Men's 100-kg weight class announcing the winner at Tokyo Metropolitan Gymnasium. (© Sankei by Makoto Nakai)

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Japan Forward読者の皆さん、こんにちは。

 

今年も残すところあとわずかとなりました。日本は冬本番を迎え、各地から雪の便りが届いています。私が勤務する東海大学のキャンパス内のけやき並木もすっかり落葉し、枝々の間から青空がよく見える冬らしい景色となっています。

 

さて今月は12月3、4日に東京で開催した国際大会「グランドスラム東京」についてご報告したいと思います。

 

この大会に私はふたつの立場で携わることとなりました。一つはナショナルチームの強化副委員長として、もう一つは、大会運営に関わるブランディング戦略推進特別委員会委員長(チーフストラテジーオフィサー)としてです。

 

強化副委員長としては、来年の世界選手権、そしてそ2024年パリオリピックを見据えた上での参加となりました。

 

日本勢は、東京五輪金メダリストの髙藤直寿、阿部一二三、大野将平らが欠場した一方、女子の阿部詩が10月の世界選手権と今大会でのダブル優勝を果たし、来年の世界選手権代表に内定するなど素晴らしい試合を見せてくれました。

 

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柔道グランドスラム東京大会・女子52キロ級決勝 志々目愛を攻める阿部詩(上)=東京体育館(中井誠撮影)

 

今大会の結果によりパリオリンピックの代表争いは、ある程度の人数に絞られたと言えます。現在の代表選考システムでは、オリンピック1年半前のこの時期に結果を出していなければ、現実的に代表入りが難しいからです。

 

今後、副委員長としては、金野潤強化委員長、鈴木桂治男子監督、増地克之女子監督を支えながら、環境面の整備に力を入れ、日本チーム全体の底上げをさらに推し進めていくことが必要であると感じた大会となりました

 

柔道のグランドスラム東京大会に招待されたウクライナの避難民ら=東京体育館(全柔道連提供)

 

柔道の魅力をもっと知っていただくために

 

チーフストラテジーオフィサーとしては、大会の準備段階から関わることとなりました。これまで私は大会運営に携わってきた人間ではありませんでしたので、知らないことばかりでしたが、見るもの聞くものすべて新鮮で、学びの多い経験となりました。

 

大会コンセプトは「踏み込む、一歩。次のニッポン柔道。」とし、「しる」「みる」「つながる」「ひろがる」というテーマのもと、いろいろなチャレンジをしました。

 

中でも会場内のサービスを充実させたことはとても好評でした。人気の柔道アニメとのコラボレーションや選手のサイン会、予選終了後の会場内での子どもたちの形発表会、企業や団体のご協力により実現したブースの設置などです。おかげさまでお土産付きのボックス席は早々に売り切れ、大会2日目の全席完売となり、熱気に包まれた2日間となりました。

 

今回は柔道の新しい観戦の仕方を提案できたと思っています。この経験を生かし、選手があの会場で闘ってよかった、闘いたいと思ってもらえるような大会運営を進めること、そして、わざわざお金を払って会場に来てくださるファンの方たちに、柔道を通じて気持ちが揺さぶられ、高揚するような大会を作っていけたら、と考えています。

 

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柔道ファンに向け年末のメッセージを送る井上康生氏

 

さて、本稿は今年最後の寄稿となりました。みなさん、2022年もありがとうございました。2023年も世界の読者のみなさまに向け、日々の私のチャレンジと柔道にまつわる情報をお届けしてまいります。来る年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

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