6G

NTT Vice President Katsuhiko Kawazoe (left) explains IOWN 1.0, the first commercial service for next-generation optical communication technology, in Chiyoda-ku, Tokyo on March 2. (© Sankei)

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NTTとKDDIが、次世代の高速大容量ネットワークの構築に向けた研究開発で提携した。NTTが提唱する光通信基盤「IOWN(アイオン)」を軸に、次世代技術の国際標準化も協力して進める方針だ。現在最新の第5世代(5G)移動通信システムでは、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に先行されたが、後継の「6G」で日本の技術が巻き返し、世界をリードできるか。幅広い知見を利用する開かれた「オープンイノベーション」でNTTが実現を目指すアイオンがカギを握ることになりそうだ。

 

 

すべてのデータの伝送を光波長信号で行う

 

アイオンは令和元年5月、NTTが次世代の通信基幹インフラ基盤として公表した技術構想。その特徴は、基幹の通信回線だけでなくサーバーや端末の内部の情報処理を含めて、すべてのデータの伝送を光波長信号で行う「オールフォトニクス・ネットワーク」だ。従来の電気信号に代えて、伝送手段に光波長信号を使うことで既存のネットワーク技術を大幅に上回る高速・低遅延の大容量データ伝送が可能となり、省電力化も達成できる見通しだ。

 

その実現に向けた第1ステップとして3月、NTTは法人向けの専用回線サービス「APNアイオン1・0」の提供を始めた。月額198万円で、申し込みから開通まで約6カ月程度。電気信号も一部で使う従来の光インターネットと比べて最大200分の1の低遅延を実現できることから、データが大容量となる映像の拠点間伝送や遠隔医療などでの利用を想定しており、金融業界からも関心が寄せられているという。

 

同社では、2025年大阪・関西万博の会場での利用を視野に、第2弾サービス「アイオン2・0」の具体的な仕様を令和6年に公表する予定で、構想の最終ゴールとなる「アイオン4・0」の実用化時期は12年と描く。

 

半導体など機器内部の部品のデータ処理も含めた光波長信号化を想定する「4・0」が実現した際の次世代光通信基盤は、現在のネットワークに対して電力効率が100倍、伝送容量は125倍、データ伝送の遅延は200分の1と飛躍的に性能が向上する計画だ。

 

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筆者:日野稚子(産経新聞)

 

 

2023年3月23日付産経新聞【経済#word】より

 

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