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福島県沿岸部で千年以上の歴史を誇り、甲冑姿の騎馬武者が威風堂々と戦国絵巻さながらの光景を繰り広げる行事「相馬野馬追」が5月25日から27日の日程で行われた。例年7月の開催だったが、昨年、熱中症で馬が死ぬなどしたため、今年から猛暑を避け5月の前倒し開催となった。
野馬追は、相馬氏の遠祖とされる平将門が放った野馬を敵に見立てて軍事演習をしたのが起源とされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。
開幕の25日、同県相馬市の相馬中村神社から武者行列が出陣。総大将はかつて一帯を治めた相馬氏の末裔で広島県在住の相馬言胤(としたね)さん(15)が務めた。
26日には最大の見せ場となる甲冑競馬と神旗争奪戦が福島県南相馬市の雲雀ケ原祭場地で行われた。甲冑を身にまとった騎馬武者が勢いよく疾走し、約3万3千人の観客がどっと沸いた。
この日は最高気温24度前後の過ごしやすい気候。心地よい風が新緑の木々を揺らす中、51人の騎馬武者らが色とりどりの旗をなびかせながら駆けた。神旗争奪戦では、上空に打ち上げられ、落ちてくる旗を約200騎で奪い合った。