South Korean protesters stage a rally to denounce Japan's new trade restrictions on South Korea in front of the Japanese embassy in Seoul, South Korea, Saturday, Aug. 3, 2019. Japan's Cabinet on Friday approved the removal of South Korea from a list of countries with preferential trade status, prompting retaliation from Seoul where a senior official summoned the Japanese ambassador and told him that South Koreans may no longer consider Japan a friendly nation. The placards read: "We denounce Japanese Prime Minister Shinzo Abe." (AP Photo/Ahn Young-joon)

South Korean protesters in front of the Japanese embassy in Seoul. Photo /Ahn Young-joon)

 

韓国では近年、日本の世論に広がっている反韓・嫌韓感情についての正確な実情がほとんど伝えられていない。韓国マスコミが伝えないからだ。彼らはひたすら安倍政権が悪いというだけで、韓国における手を替え品を替えての執拗(しつよう)な日本非難に自制を訴えることはない。自制どころか、最近の日本製品不買運動のように〝愛国〟を看板に逆にそれを扇動している。

 

日本の国民感情を刺激し続ける韓国の「これでもかこれでもか…」的な反日パフォーマンスのあらたな手練手管に、来年開催の東京オリンピックに対する言いがかりがある。

 

「フクシマ放射能」という風評(!)を悪用し、野球会場や選手団の食材にイチャモンをつけている。さらにパラリンピックのメダルのデザインに、陽光に似た模様が入っているのを「日本軍国主義時代の旭日旗を思わせる」などといって抗議したという。一部の職業的な反日活動家の言動ならともかく、公式機関やマスコミがそれを真面目に取り上げ反日・愛国キャンペーンに仕立て上げているのだ。

 

「フクシマ」や東京五輪で言いがかりをつけているのは韓国だけである。こうした「何が何でも日本の足を引っ張る」みたいな言動が、日本国民の反韓・嫌韓感情に油を注いでいる実態に韓国は知らん顔である。

 

近年の反日言いがかりでとくに目立つのは旭日旗問題だ。公的には昨年、韓国での国際観艦式の際、韓国政府は海上自衛隊の艦旗である旭日旗を降ろして来いと要求し、日本は参加を見送った。「軍旗を降ろせ」などというのは国際的には「侮辱」に等しい。旭日旗を掲げた自衛艦は過去、何回も韓国を訪問しているし、韓国以外どこでも問題になっていない。明らかに日本に対する無視、軽視であり、反韓・嫌韓感情を刺激するものだ。

 

韓国における旭日旗反日は近年の現象である。筆者は以前、それを「パブロフの犬」みたいな病的条件反射ではないかと批判し、韓国社会で「またクロダ妄言」と非難されたことがあるが、今回のパラリンピック・メダルへの反応もその典型だ。日本側が「扇の形からきたもの」と説明しても聞く耳をもたない。

 

「パブロフの犬」とは、犬にベルを鳴らしてエサを与えることを繰り返すと、そのうち犬はベルの音だけでヨダレを流すという話で、この実験から「条件反射」を解明しノーベル賞をもらったロシアのパブロフ博士の名前に由来する。

 

その後、実体はないのに幻想や思い込み、短慮・短見で行動に走ることを「パブロフの犬みたい」と皮肉るようになった。旭日旗反日はヨダレに似ている?

 

先年、ニューヨークでさる銀行のビルの壁に陽光をデザインした抽象画が描かれているのを見た在米韓国人たちが「日本軍国主義を連想させる」と銀行に抗議しもめたという話があったが、今回の五輪メダルを含め今、韓国人たちは世界のあちこちでそんなことをやっている。

 

旭日旗について世界で韓国人だけが「戦犯旗」といって騒ぎ、愛国心を満足させている。日本が相手となると国際的常識をはずれても平気というわけだ。オリンピックという国際イベントに韓国人だけの〝対日無理〟や〝反日無罪〟を持ち込まれては困る。一部の反日運動家たちのできもしない東京五輪ボイコット論は勝手だが、こうした五輪がらみの反日は日本人の反韓・嫌韓感情を確実かつ限りなく刺激している。

 

筆者:黒田勝弘(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)

 

 

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