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Prime Minister Fumio Kishida shakes hands with Palau President Surangel Whipps ahead of their meeting. At the prime minister's office on June 14 (© Sankei by Yasuhiro Yajima)
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岸田文雄首相は6月14日、パラオのウィップス大統領と官邸で会談した。ウィップス氏は、東京電力福島第1原発の処理水放出計画について「安全確保に真摯(しんし)に取り組んでいることがよく分かった」と評価した。これに対し、首相は「太平洋島嶼(とうしょ)国の中で地理的に近いパラオの大統領から日本の対応に理解と信頼をいただいたことを大変心強く感じる」と謝意を示した。
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会談に先立ち、ウィップス氏は福島県を訪れ、同原発などを視察した。首相は会談で、処理水放出に関し「日本の首相として、人の健康および海洋環境に影響を与える形での放出は決してないということを改めて約束する」と強調した。
また、両首脳は中国がパラオの位置する南太平洋地域への影響力を拡大していることを念頭に、法の支配など「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けた協力を確認した。このほか、観光振興やインフラ整備などの協力強化や気候変動問題についても意見を交わした。
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パラオは台湾と外交関係を持つ国の一つ。南太平洋地域ではソロモン諸島が昨年、中国と安全保障協定を締結したが、パラオは日本との関係を重視している。ウィップス氏の来日は、昨年9月以来。