現存する国内最古級の電車として国の重要文化財に指定されている「京都電気鉄道電車(通称N電)」の修理作業が完了し、平安神宮の境内で記念式典と関係者へのお披露目が行われた。4月1日から無料で一般公開される。
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国の重要文化財に指定されている国内最古級の「京都電気鉄道電車」。通称は「N電」=京都市左京区の平安神宮(杉侑里香撮影)

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現存する国内最古級の電車として国の重要文化財に指定されている「京都電気鉄道電車(京都市交通局二号電車、通称N電)」の修理作業が完了し、長年保管されてきた平安神宮(京都市左京区)の境内で記念式典と関係者へのお披露目が行われた。約1年かけて修理され、さびが浮いていた車両の外観は約65年前の現役当時の輝きへと復活。内部も当時の状態をできる限り保ちながら補修が行われた。4月1日から無料で一般公開される。

修理が完了し4月から一般公開されるN電。神職がおはらいをした(杉侑里香撮影)

修理が行われたN電は明治28年に日本で初めて路面電車を運行した「京都電気鉄道(京電)」の木製車両で、同44年に製造された。京電が京都市電に買収された後は、昭和36年に市電北野線が廃止されるまで市民の足として親しまれた。

引退後は京電と縁のあった平安神宮が境内の有料区画の神苑で保管や展示をしていた。創建130年記念事業として昨年2月から、より多くの人に車両を知ってもらおうと人通りのある応天門前西側(無料区画)にクレーン2台を使って移設をし修理していた。

修理される前のN電(杉侑里香撮影)

クラウドファンディング(CF)での協力も呼びかけて約2億円をかけた修理では、文化財としての価値を損なわずに現役当時の姿を再現しようと、文化庁などの関係機関や専門家と慎重に協議。車体のさびを落とした上で、市電カラーである濃い緑色とクリーム色に塗り直し、車内は破損していたつり革や座席シートなどは補修を行った上で当時のものを残した。

修理が完了したN電の内部。つり革や座席シートは当時のものを残して補修された(杉侑里香撮影)

修理に携わった文化財修復・保存が専門の京都女子大の鶴岡典慶教授は「京都市内を走っていた運行当時の姿が伝わる修理になったと思う」と話した。

記念式典では神職によるおはらいが行われ、同神宮の鷲尾隆久宮司は「創建当時に京電が走っていたこの岡崎の地へ、貴重な車両を見に多くの人に訪れてほしい」と語った。今後、鉄道ファンらに向けたイベントなども検討しているという。

筆者:杉侑里香(産経新聞)

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