2025年共和国記念日を祝うインド大使からのメッセージ

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第76回インド共和国記念日を慶祝するにあたり、天皇皇后両陛下、日本政府の皆様、日本国民の皆様にご挨拶申し上げます。また、印日特別戦略的グローバルパートナーシップの進展に取り組む在日インド邦人、日本のインドの友人の皆様にもお慶び申し上げます。

印日両国は、民主主義、自由、法の統治、相互尊重等の価値観、未来のビジョンを共有しています。昨年、印日特別戦略的グローバルパートナーシップは締結10周年を迎えました。この間、印日関係は自由で開放的、包括的、平和で繫栄したインド太平洋地域というビジョンの下、活発で多面的な関係に発展しました。戦略的関心も共有し、クアッドといった多国間・複数国間グループでも積極的に協力しています。

昨年は、両国の強力な基盤を示すハイレベル交流が盛んに行われました。石破首相の就任直後には、印日首脳会談がラオスで実現、前任の岸田文雄首相とも、イタリアG7サミットやアメリカでのクアッド首脳会談の際に首脳会談を行っています。印日特別戦略的グローバルパートナーシップ締結から10周年という節目の年に実施された3回の首脳会談は、多領域で二国間協力を強化するという両国の決意と両国関係がインド太平洋地域の平和と安全、繁栄に不可欠な要素である、という認識を示しています。

戦略面では昨年、第16回及び第17回外務大臣戦略対話を東京とニューデリーで開催、イタリアG7外務大臣会合においても個別会談を実施しました。

昨年8月には額賀福志郎衆議院議長もインドを訪問されました。

*Prime Minister Shigeru Ishiba and Prime Minister of India Narendra Modi met on October 10, 2024.*

両国の防衛協力

防衛安全保障分野でも合同訓練や交流・共同開発事業を頻繁に実施しています。ラオスのASEAN防衛大臣会合では印日防衛大臣会合を行いました。ニューデリーでの第三回外務防衛大臣対話は、最近調印されたインド海軍へのユニコーンアンテナの提供に係る覚書を含む、数々の成果をもたらしました。防衛装備品の共同開発・生産は両国初の取り組みであり、防衛協力の新たな扉を開くだろうと確信しています。昨年は、ダルマ・ガーディアンやJIMEX24といった二国間合同訓練、マラバールやタラン・シャクティといった多国間訓練も実施され、各軍種間の相互運用性が向上しました。海上警備機関も定期的に交流を重ねています。

経済協力

地政学環境の展望が困難になる中、両国の経済的利益の保護や強靭なサプライチェーン構築を目指す、印日経済安全保障対話を昨年、初開催しました。AIや量子計算等の重要技術研究での協力を促進する良い機会となりました。

日系半導体企業がインド国内で強力な半導体エコシステムの構築に向け取り組むなど、半導体分野で協力が進んでいます。クリーン水素や、石炭とアンモニアの混焼技術開発でも協力が進められています。

印日関係の要は経済連携です。2027年までに対印投融資5兆円という目標の達成に向け、大きな進展があったことを嬉しく思います。日系企業がインドでのプレゼンスを増すには、インド経済の回復と活力、改革主導の堅実な成長、ビジネス環境の整備、熟練人材、スタートアップ環境の成長といった要素が不可欠です。

*Dr Vibha Dhawan speaks at the 6th RD 20 conference.*

人間の力

人的交流は、両国関係の基盤です。今、両国は人材・人的交流における協力強化に向け協議を重ねています。昨年は「ヒマラヤと富士山をつなぐ」をテーマに「印日観光年2.0」事業を展開、9月には日本で「インド月間」、インドで「日本月間」を開催しました。相互交流に関心を示す日本の県やインドの州も多く、昨年は複数の県知事がインドを訪問されました。2025年日本国際博覧会への出展が、印日企業の連携と国民交流の更なる強化に繋がると期待しています。