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ソニーグループとホンダが折半出資するソニー・ホンダモビリティは5日、電気自動車(EV)のブランド名を「AFEELA(アフィーラ)」にすると発表した。世界最大級の米家電IT見本市「CES」の開幕に先立って行われた記者会見で、セダン型の試作車を公開した。自動運転など「つながる車」の分野で米半導体大手クアルコムと協業することも明かした。
CES開幕前に行われた記者会見で、ソニー・ホンダの水野泰秀会長兼最高経営責任者(CEO)は「人々との共創とソフトウエアを中心とした最先端技術を掛け合わせ、革新を起こしたい」と意気込んだ。
水野氏が語ったようにソニー・ホンダのEVは他社との協業や最先端技術を駆使して、EV専業大手の米テスラなどと差別化を図る考えだ。
計45個のセンサーやカメラのほか、高性能な演算が可能なクアルコムの半導体チップを搭載し、自動運転や先進運転支援システム、第5世代(5G)移動通信システムにも対応する。自動運転は一定の条件下で運転操作が不要になる「レベル3」を目指す。
このほかネットの「クラウドサービス」を活用し、ソニーが得意とするゲームや映画、音楽などのエンターテインメントを移動中の車内空間で提供する。今回の会見では米ゲーム大手エピックゲームズとの協業も発表した。
ソニーグループはソフトウエア主導で車の機能を更新する仕組みを構築する。クアルコムと連携し、基盤となる車載OS(基本ソフト)の開発を強化する。
今回披露した試作車には車体のフロント部分に文字などを表示する電光掲示板を装備するなど新たな価値を提案している。デザインは繭に包まれたような優しい車体とした。
ソニー・ホンダのEVは高性能な半導体や機器を搭載するため、高価格帯になる。テスラや独ポルシェ、独メルセデス・ベンツなどが競合相手となる見通し。
第1弾となるEVはホンダの北米工場で生産する予定。2025年前半から先行受注を開始し、納車は北米で26年春、日本は26年後半を計画している。
筆者:黄金崎元(産経新聞)