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「72時間の壁」という言葉が使われるようになったのは、平成7(1995)年の阪神大震災からだ。震災で助け出された人の生存率が、当日は約80%、2日目は29%、3日目は22%と推移する。72時間を過ぎた4日目になると、6%まで落ち込んだ。
もちろん、この時間を過ぎても救出活動は続けられる。2月6日にトルコ南部で発生した大地震では、150時間を超えた後も瓦礫(がれき)の中から生存者が発見されている。60カ国以上から駆け付けた救助、支援部隊による命がけの捜索、救助の成果である。
日本のチームには、東京消防庁のハイパーレスキューの隊員が含まれている。あらゆる大規模災害の人命救助に対処するため、高度な技術と最新鋭の装備を誇る部隊もまた、阪神大震災の教訓から創設された。
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2023年2月14日付産経新聞【産経抄】より