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Japan Forward読者の皆さん、こんにちは。
これが2023年の最初の寄稿となります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて今回は、先月行われた講道館の「鏡開式」で感じたことからお話ししたいと思います。
鏡開式とは、日本の伝統行事のひとつです。毎年1月11日頃、お正月(年始)に飾った鏡餅というお餅を使って小豆を甘く煮てお汁粉という料理にして食べ、1年間の無病息災を祈るというものです。東京都にある柔道の総本山・講道館でもこの行事を毎年、開催しています。今年は1月8日に行われ、私も出席してきました。
講道館の鏡開式は、関係者による新年顔合わせのような意味あいもあります。代表者による新年の挨拶にはじまり、形の演技や子どもと日本代表選手たちとの乱取などが行われたのですが、皆さん、緊張しながらも堂々と披露されていて、清々しい思いで拝見させていただきました。
こうした日本ならではの風習は、良いものだな、と思います。気持ちが引き締まりますし、柔道を愛する人たちが一堂に会し、1年の始まりを祝うことはとても良いことだと思うからです。
このような伝統行事は次の世代に継承していかなければなりません。今回、北京五輪女子52kg級銅メダリストの中村美里さんが形の実演者として参加されていたのですが、大変素晴らしいことだと思いました。オリンピアンの参加は、若い世代に鏡開式に興味を持ってもらうきっかけになったのではないかと思います。
ただ、毎年楽しみにしていた「しるこ会」が行われなかったのは残念でした。例年、すべてのプログラム終了後、大道場にテーブルを並べてお汁粉をみんなでいただく時間があったのですが、新型コロナウイルスの関係などもあり、一昨年から実施されていません。私はこのしるこ会が大好きでした。みなさんと一緒に大道場でいただくお汁粉は格別なおいしさなのです。ですから、一参加者としての勝手な願いではありますが、またいつか皆さんとお汁粉をいただく日が来ることを期待しています。
ドーハ世界選手権、日本代表決定
今年もすでに世界の柔道界は活発に動いています。世界選手権が5月に行われるため(カタール・ドーハ)、すでに昨年末に日本代表が決定しました。
決定したのは男女7階級の個人戦代表です。団体戦のメンバーについては、今後の大会結果により選出していく予定ですが、来年に迫ったパリ五輪へ向け、ベテラン、若手と個性豊かなメンバー構成となっていると思います。
パリ五輪の開幕はあと1年5カ月に迫っています。東京五輪との間隔が3年しかないため、正直、あっという間という気持ちが拭えませんが、日本チーム一丸となり、できることを確実に行い、準備を進めています。皆さん、引き続き柔道日本代表へのご声援をよろしくお願いいたします。
最後となりますが、私が理事長を務める「特定非営利法人法人JUDOs」の名誉会長であった信越化学工業(株)の金川千尋会長が1月1日に逝去されました。
柔道家である金川会長には本法人設立時より多大なるご理解とご支援を賜ってまいりました。また、折に触れてお目にかかる機会をいただき、私が全日本男子監督を務めているときなど、いつも温かいお言葉で励ましてくださいました。この場を借りて心から感謝申しあげますとともに謹んで哀悼の誠を捧げます。