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日本航空が、ペットの客室内への同伴搭乗を検討していることが2月16日、分かった。1月2日に羽田空港で発生した航空機の衝突事故で、貨物室に預けられたペット2匹が取り残されたことを受け、同伴搭乗を求める声を踏まえた。ただ、他社は他の乗客からの拒絶反応などを考慮して慎重姿勢で、日本の航空会社も現状は同伴搭乗を認めているのは1社にとどまる。
オンライン署名も
「機内に持ち込むことを許してほしい」
衝突事故後にペットの同伴搭乗を巡り芸能人らがSNSなど自らの思いを訴え、オンライン署名サイトでも多くの賛同者を集めた。日航はこうした声が一定数あったことを踏まえ、議論を始めたことを明らかにした。
海外では客室に持ち込める航空大手も珍しくない。だが、日航や全日本空輸(ANA)ではペットは飼い主と客室で一緒に過ごすことはできず、温度管理された貨物室に預けなければならない。ピーチ・アビエーションなどの格安航空会社(LCC)では貨物室への受け入れも行っていない。
国内で唯一、同伴を認めているのがスターフライヤーだ。新型コロナウイルス禍でビジネス客の利用が減り、レジャー需要を取り込むために令和4年に一部の便で始めた。1匹5万円の料金がかかり、手荷物扱いで緊急脱出時の持ち出しもできないが、それでも「これまで300件の利用があって好評だ」(広報)。今年1月15日に全線、全便に拡大し、サービスを本格化した。
「人命が優先」
一方で、衝突事故後に高まったペットの同伴搭乗を巡っては「人命が優先」との批判もSNSでは広まった。
また、日本の航空会社が慎重な背景には「アレルギーのある乗客への対応が大きい」と、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は指摘する。日本人の2人に1人は何らかのアレルギーがあるとされ、発作を引き起こす懸念のある人への対策は難しい。
ANAや日航は過去にペット同伴のチャーター便の運航を実施したことがあるが、鳥海氏は「『ペットが一緒なら飛行機に乗らない』という否定的な意見が結構あったので、そうした国民性のようなものも影響している」との見方を示す。
このため、ペットの同伴搭乗についてANAも「サービスの変更予定はない」(広報)という。日航も「導入が前提ではないフラットな状態での検討で、短期間で結論は出ない」(広報)としている。