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奈良県医師会の安東範明会長は5月16日の定例記者会見で、本格的な夏を前にした今の時期に熱中症が多発する傾向があるとして、こまめな水分補給やエアコンの積極使用など対策を呼びかけた。
消防庁によると、4月29~5月5日の1週間で全国で、昨年同期と比べ約180人多い664人が救急搬送された。熊本県では1人が死亡し、重症者が8人、中等症も163人にのぼった。
安東会長は、体が暑さに慣れる前に気温が上昇すると熱中症リスクが高まると指摘。事前に暑さに慣れるために、適度な運動や入浴時に湯船につかることなどが効果的だとした。また、めまいなど熱中症の兆候があったらすぐに涼しい場所で体を冷やすことが重要だとし、「予防のためにエアコンや扇風機を上手に使ってほしい」と呼びかけた。
一方で、熱中症の危険が高い時に市区町村が開放する公民館や図書館などの「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)」の指定が県内自治体では一部にとどまっていることを指摘し、「自治体は一刻も早い設置の検討と丁寧な周知に努めてほしい」と述べた。