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南太平洋のタヒチを会場に7月27日から行われているパリ五輪のサーフィンで、韓国のテレビ局MBC放送が、オーストラリアの男子選手が「旭日旗」柄のサーフボードの使用を検討したとして、この選手に使用するかどうかをただした上で、韓国のオリンピック委員会を兼ねる大韓体育会を通じて豪州側に抗議したと報じた。選手側は撤回を表明し、五輪に向けて準備したサーフボードを使用する機会が奪われた形となった。
MBCは7月31日配信の電子版記事で経緯を紹介。MBCが問題視したのは、世界的なトップサーファーのジャック・ロビンソン(26)で、25日に自身のインスタグラムで、五輪に向けて旭日旗柄のサーフボードを並べた写真を投稿した。ロビンソンは、旭日旗柄のサーフボードを愛用したことで知られる米国のプロサーファー、アンディ・アイアンズ(2010年死去)に影響されたとみられる。
一方、サーフィン韓国代表の監督から情報提供を受けたMBCはロビンソンに対し「サーフボードに描かれた文様は日本帝国主義の象徴である旭日旗に似ていることを知っているか」とした上で「このボードをパリ五輪で使用するか」とメッセージやメールを送ったという。
この投稿は削除されたというが、MBCはロビンソンについて「旭日旗サーフボードを使用しない確認はなかった」として、大韓体育会に報告。大韓体育会は豪州のオリンピック委員会に抗議し、豪州側はロビンソンの「旭日旗サーフボードを試合で使用しない」とするコメントを伝えたという。
韓国の監督はMBCに、国際サーフィン協会(ISA)などに周知し、海外のサーファーに対し旭日旗の柄のサーフボードの使用自制を求めていく考えを伝えた。
ロビンソンはパリ五輪サーフィン男子の有力なメダル候補。日本時間2日早朝から行われる準々決勝に進出を決めている。
筆者:奥原慎平(産経新聞)