トヨタ自動車が水素や電気の供給のシステム事業に乗り出している。自動車産業の変革はメーカーの事業領域を劇的に広げる可能性がある。
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トヨタ自動車が2026年に本社工場に導入する水素製造施設の外観イメージ(中央)=2月19日、東京都江東区(池田昇撮影)

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「トヨタ」は何の会社か。誰もが今は自動車メーカーと答えるだろうが10年後、20年後には違う回答も出てくるかもしれない。その1つとして既に浮かぶのが、水素や電気の供給システム事業者としての顔だ。「100年に一度」といわれる自動車産業の変革は、社会インフラとの融合を通じて、車をさまざまな事業育成のインキュベーター(孵化器)に変え、メーカーの事業領域を劇的に広げる可能性がある。

トヨタ自動車は、プラント大手の千代田化工建設と水素製造装置の事業化に取り組んでいる。燃料電池自動車(FCV)「ミライ」の技術をベースに共同開発中の装置だ。

FCVは、水素を燃料に酸素との化学反応で生み出した電気で走る。装置は、その逆の反応で、水を電気で分解して水素を作り出す。電解膜と触媒を使う「PEM式」という技術で、同方式の大手メーカーの独シーメンスや米プラグパワーなどの装置に対して、単位面積当たり2、3倍の水素を製造できるという。

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筆者:池田昇(産経新聞経済部編集委員)

2025年2月23日付産経新聞【日曜経済講座】より

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