
日本チームのゴーリー・内田妃那(左)のボールを狙う米国Ally Mastroianni(中央)=3月15日、富士通スタジアム川崎(海藤秀満撮影)
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米国ラクロスのプロリーグに所属する男女選手が来日し、3月15日に富士通スタジアム川崎で日本選抜選手と対戦した。結果は両試合とも米国チームが圧勝したが、その本場のスピード感あふれるプレーに日本選手も観客も魅了された。
大会名は「SEKAI CROSSE 2025」。元オーストラリアのラクロス代表選手として2017年の世界大会に出場し4位となった経験を持つ、山田幸代氏が独自に主催しているもので、今回が6回目。米国のラクロス・プロリーグの男子PLL(Premier Lacrosse League)と女子WLL(Womens Lacrosse League)の選手を招聘し、主催者が選抜した日本人プレーヤーのチームと対戦した。

女子は6人制ルール
女子の試合は、28年のロス五輪で採用が予定されている6人制ルールで行われた。1チーム6人がフィールドに出て、1クオーターが8分の4クオーター制。フィールドも通常の3分の2程度の大きさ。ボールを持った選手は30秒以内にシュートを打たなければいけないルールで、スピーディな試合展開となる。
日本チームも善戦したが、結果は10対20のダブルスコアで米国チームの圧勝に終わった。米国選手はそのスピードと正確なシュートで得点を稼ぎ、ゴーリー以外の選手全員が得点した。

MVPに輝いた米国チームのLizzie Colson選手は「3度目の来日だけど、来日するたびに日本選手のレベルが上がっているのでワクワクしている」と語った。
日本チームで2得点を挙げた河合寧々選手は「外国の選手は手足が長くて有利だけど、自分が得意な1対1は諦めずに最後まで仕掛けることができたのでいい経験になりました」と感想を述べた。

男子は10人制
男子の試合は通常の10人制で、時間は1クオーターが12分(通常15分)の4クオーターで行われた。結果は2対20(日本チームのオウンゴール1点含む)の大差で日本は敗れた。

男子も米国プロリーグの錚々たるプレーヤーが揃い、早いスピードと豪快なシュートで日本を寄せ付けなかった。4得点を挙げて男子のMVPに輝いた米国のRomar Dennis選手は「将来、日本人のPLL選手がたくさん出ることを確信しています。」とコメントした。
米国PLLの代表でもあり、米国選手コーチとして来日したPaul Rabil氏は「日本の選手はほとんどが大学からラクロスを始めて世界5位のトップレベルまで上がってきたのは素晴らしい。さらに日本のラクロスが成長するように2つの提案をしたい。1つは、小学校・中学校くらいからラクロスが学べるように(来日した際はクリニックなどで)お手伝いしたい。もう1つは、さらにレベルアップするために、米国のトップクラスの選手との対戦経験を積んでもらえるような機会を増やしたい」とコメントした。

また、日本チームのゴーリー・小川健太選手は「世界一流選手のシュートを痛感し、悔しい思いをしました。今後、もっと精進しなくてはいけないと感じました」と次への決意を語った。

主催者の目的
大会主催者の山田幸代さんは「日本の子供たちに“夢はラクロス選手になりたい”と希望が持てるスポーツにラクロスをしたい。そのために海外のトップレベルの選手たちと試合ができる貴重な機会を作り、日本ラクロスの成長の場を作りたい」と大会開催の意義を語った。本大会は2017年から始まり、コロナ禍の20年、21年と22年を除く計6回開催された。国内で世界上位の国やチームと対戦して経験を積む機会がほとんどない中、選手にとってこうした大会は貴重な機会となる。

日本では、2026年と27年にラクロスの女子と男子の世界選手権大会が開催される。26年は東京での開催が発表されている。世界選手権大会はラクロスの国際組織World Lacrosse主催の下、日本ラクロス協会が日本の主催者になる。
筆者:海藤秀満(JAPAN Forwardマネージャー)
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