
76ミリ機関砲を搭載した海警2303=中国海警局のサイトより
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尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で中国海警船の領海侵入が過去最長となった3月24日、接続水域の外側に交代要員ではない別の船団が現れ、尖閣周辺で一時、中国海警局の船が8隻態勢となっていたことが25日、海上保安庁関係者への取材や産経新聞のデータ分析で判明した。別の船団は、領海の外側12カイリ(約22キロ)の海域である接続水域に入らなかったため、海保は公表していない。中国側の意図は不明だが、小さな動きを積み重ねて圧力を強める「サラミ戦術」の一環の可能性もある。
海保関係者や船舶自動識別装置(AIS)のデータによると、接続水域から4キロほどしか離れていない海域で24日、中国船4隻が航行。うち2隻は76ミリ機関砲を搭載した「武装船」だった。
海警船は通常4隻で船団を組み、1カ月ほどで交代する。当初、海保は別の船団の4隻について交代目的で尖閣付近に現れたとみて注視していたが、領海に侵入した4隻と交代することなく、24日夜から25日朝にかけて尖閣を離れていった。海保関係者は「意図は不明だ」とする。
尖閣を管轄する第11管区海上保安本部(那覇)の幹部も務めた元3管本部長の遠山純司氏は「あまり前例のないような動きだ。必要な監視警戒を継続していく必要がある」としている。
筆者:西山諒、大竹直樹(産経新聞)

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中国海警局の劉徳軍(りゅう・とくぐん)報道官は3月24日、尖閣諸島周辺で操業していた日本の漁船4隻を追い払ったと主張した。海警局のサイトによると、劉氏は「(日本の漁船は)中国領海に不法に侵入した。中国海警局の船舶は法に基づき必要な取り締まり措置を取り、警告して追い払った」と述べた。また、尖閣諸島について「中国固有の領土であり、日本に対し、同海域における違法行為を直ちに停止するよう求める」とした。
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