一部の外国人観光客の迷惑行為が目につくようになった。放置すれば国民感情が悪化し、外国人排斥につながる恐れもある。日本や地域のルール、法令を守り、日本の文化慣習を尊重するように促したい。
Nagasaki Pref Watazumi Shrine

「古事記」に登場する海の女神を祭った和多都美神社の鳥居=長崎県対馬市豊玉町(2018年6月5日撮影)

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来日外国人の迷惑な振る舞いが問題となっている。

電車内で激しいダンスをする、車道に飛び出して駅伝大会を妨げる、奈良公園のシカをいじめる、果ては神社で狼藉(ろうぜき)を働く―などである。

日本は観光地として世界的人気を博している。インバウンド(訪日外国人客)は急増し、日本経済を潤している。うれしい話だが、一部の外国人観光客の迷惑行為が目につくようになった。放置すれば国民感情が悪化し、外国人排斥につながる恐れもある。

郷に入っては郷に従え、という。日本や地域のルール、法令を守り、日本の文化慣習を尊重するように促したい。

法に触れる迷惑行為があれば警察は遠慮なく検挙してもらいたい。自治体や観光団体・業者はルール順守の注意喚起を徹底してほしい。地域住民の協力も欠かせない。

中国の動画投稿アプリに投稿された、靖国神社の石柱に落書きする動画

長崎県対馬市の和多都美(わたづみ)神社は3月23日、「極めて重大かつ許されない不敬行為が外国人によって行われ」たとし、SNSで参拝目的以外の立ち入り禁止を表明した。

同神社では数年前から、一部の韓国人観光客らによる違法駐車やタバコのポイ捨て、排泄(はいせつ)、投石などの迷惑行為が続いていた。注意した神職が暴言を浴びせられたり、暴行を受けたりすることさえあった。神社が発信したSNSによれば、市や警察に何度も相談したが解決しなかったという。

日本の戦没者を祀(まつ)る靖国神社は、来日した中国人らによる落書きなどの被害を繰り返し受けている。

いずれもゆゆしき事態で容認できない。警察や政府、自治体はもっと熱心にパトロールや取り締まりをしてもらいたい。 

鹿児島新港でフェリーに乗り込もうとする迷惑系外国人ユーチューバー集団=2月23日(同集団の配信映像から)

外国人ユーチューバーらの迷惑行為も目立つ。昨年10月には、山梨県を走る電車内で米国人らのグループが床に転がるなど激しいダンスをした動画がインターネットで流れ、物議をかもした。今年1月の箱根駅伝では中国人インフルエンサーが車道に飛び出して選手と並走し、批判を浴びた。

大多数の外国人観光客はマナーを守り、日本の文化を尊重している。地域住民が不快な思いをせず、外国人観光客が楽しく日本をめぐるためにも、迷惑行為を解消したい。

2025年4月10日付産経新聞【主張】を転載しています

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