陛下と皇后さま、愛子さまは6月4日、先の大戦で20万人超が犠牲となった沖縄県に入られた。愛子さまにとっては初の沖縄ご訪問。
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小桜の塔で供花される天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま=6月5日午前、那覇市

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陛下と皇后さま、愛子さまは6月4日、先の大戦で20万人超が犠牲となった沖縄県に入られた。愛子さまにとっては初の沖縄ご訪問。沿道では多くの人々が日の丸の旗で歓迎し、天皇ご一家は手を振り、会釈して応えられた。

お三方は、沖縄戦で最後の激戦地となった摩文仁(まぶに)の丘にある国立沖縄戦没者墓苑(糸満市)でご供花。犠牲者の名を刻んだ「平和の礎」や、沖縄県平和祈念資料館を視察された。

平和の礎を訪れ、説明を受けられる天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま=6月4日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園

両陛下は、戦争体験者や遺族ら一人一人に「どなたを亡くされたのですか」などと声をかけ、過酷な体験に耳を傾けられた。目の前で肉親3人を失った女性が「皆さまが平和を願い、伝えていただいていることに感謝します」と話すと、陛下は「本当にお辛かったですね」と寄り添われ、愛子さまも「想像を絶する事です」と聞き入られていた。

沖縄県平和祈念資料館を視察され、戦争体験者や語り部らと言葉を交わされる天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま=6月4日午後、沖縄県糸満市

同日夜、お三方は宿泊先のホテルで、沖縄の子供が東京で取材活動を行う「豆記者」経験者らとご交流。皇太子時代のご一家と面会し、一緒にバレーボールをした人もおり、お三方は再会を喜ばれた。

ホテル近くでは有志が提灯(ちょうちん)や日の丸でご一家を奉迎(ほうげい)。お三方も部屋で提灯を振って応えられた。

沖縄「豆記者」の経験者らと懇談される天皇ご一家=6月4日午後、那覇市のザ・ナハテラス(宮内庁提供)

翌5日、ご一家は米軍の攻撃で沈没し1500人近くが犠牲になった学童疎開船「対馬丸」の慰霊碑「小桜の塔」(那覇市)を初訪問し、供花された。遺族らとの懇談で、愛子さまは「命の大切さ」についてお話しに。皇后さまは「愛子にも貴重な経験になりました」と述べられた。

小桜の塔で供花される天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま=6月5日午前、那覇市

お三方は同日、首里城(同市)も訪問し、沖縄の夏の正装「かりゆし」姿で正殿の再建工事をご覧に。全日程を終え同日夜、帰京された。

天皇陛下は5月30日、ラオスのトンルン国家主席と皇居・御所でご会見。長女の敬宮(としのみや)愛子さまは11月にラオスを公式訪問される予定で、陛下は「大変楽しみにしているようです」と明かされた。

秋篠宮さまは同日、お住まいの秋篠宮邸(東京都港区)で、クウェートのサバーハ・ハーリド皇太子と面会された。秋篠宮妃紀子さまは6月3日、都内で、総裁を務める結核予防会の資金寄付者等感謝状贈呈式に臨席された。

陛下は6月1日、東京都千代田区の日本製鉄紀尾井ホールでビオラのコンサート「ヴィオラスペース2025」をご鑑賞。2日には、都内のホテルで気象業務150周年記念式典に臨席された。

気象業務150周年記念式典で、お言葉を述べられる天皇陛下=6月2日午後、東京都千代田区

秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまは4日、外交関係樹立130周年を迎えるブラジルを公式訪問するため、民間機で成田空港を出発された。現地時間の5日午前、サンパウロに到着された。

ブラジルへ出発される秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さま=6月4日午後、成田空港

常陸宮妃華子さまは1日、全日本馬術大会臨席のため、世田谷区の馬事公苑へ足を運ばれた。三笠宮家の彬子さまは5月30日、北海道で全国菓子大博覧会にご臨席。6月1日は国立競技場(東京都新宿区)でラグビーリーグワンの決勝戦を観戦された。

高円宮妃久子さまは5月30日、2025年大阪・関西万博の会場を訪れ、ルクセンブルクのナショナルデー式典にご臨席。31日には、都内で高円宮杯全日本中学校英語弁論大会の記念パーティーに臨まれた。

筆者:中村昌史、吉沢智美(産経新聞)

2025年6月6日付産経新聞【皇室ウイークリー(900)】を転載しています

皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。

また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。

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