
石破首相との面会後、取材に応じる自民党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会会長の高市前経済安保相=5月27日午後、首相官邸
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石破茂首相は5月27日、自民党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会会長の高市早苗前経済安全保障担当相と官邸で会い、国の重要情報を守るため「スパイ防止法」の制定を求める提言を受け取った。提言は「諸外国と同水準のスパイ防止法の導入に向けた検討を推進すべきだ」と明記した。
林芳正官房長官は記者会見で「外国の情報機関による情報収集活動が日本で行われているとの認識に立ち、必要な対策を講じている」と強調。取り組みの充実、強化に努める考えを示した。
提言は、政府の情報収集活動の基本的な指針となる国家情報戦略の策定も促した。自民は夏の参院選公約に盛り込むことを視野に入れている。
高市氏は面会後、記者団の取材に応じ「首相も強い問題意識を持っていると感じた。『しっかり勉強したい』ということなので、政府の対策に入るよう期待する」と述べた。
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岩屋外相「私は慎重」
岩屋毅外相は6月12日の参院外交防衛委員会で、国の重要情報を守るための「スパイ防止法」の制定について、「私は慎重だ」と明言した。日本維新の会の柳ケ瀬裕文氏の質問に答えた。
スパイ防止法を巡っては、自民党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会会長の高市早苗前経済安全保障担当相が5月27日に石破茂首相に制定を求める提言を手渡した。柳ケ瀬氏は「ぜひやってもらいたい。しかし、40年間、ずっと進んでこなかった。岩屋氏はずっとネガティブな発言をしている」として、見解を求めた。
岩屋氏は「いわゆるスパイ防止法の必要性については、知る権利をはじめ国民の基本的な人権に配慮しながら、多角的な観点から慎重な検討をされ、国民の十分な理解が得られることが望ましい。私は否定的というよりも、慎重な認識を示した」と述べた。「人権への必要な配慮を行いつつ、わが国の国益を確保する観点からどのような対策が必要か、よく考えていきたい」と語った。
柳ケ瀬氏から「なぜ否定的な意見を持っているのか」と問われた岩屋氏は、特定秘密保護法の例を挙げ、「国会でも大議論になった。なぜかというと、知る権利や基本的人権に十分な配慮がなされているかという観点から、さまざまな議論がなされた。スパイ防止法の中身は定かではないが、こういうたぐいの立法を行う場合には、同様の配慮が求められる」と説明した。
(産経新聞)
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