この春まで積水ハウス常任監査役を務めた伊藤みどりさんは、同社で女性初の営業職として長く活躍した後、働きたいと願うすべての従業員のサポートを続けてきた。今後は、人々が健康で生き生きと暮らしていける社会の実現を後押ししていく。
sekisui house groundbreakers

伊藤みどりさん=大阪市北区(南雲都撮影)

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この春まで積水ハウス常任監査役を務めた伊藤みどりさんは、同社で女性初の営業職として長く活躍した後、社内のダイバーシティ推進役を担い、働きたいと願うすべての従業員のサポートを続けてきた。そして今後は企業の枠を超えた取り組みを通じて、人々が健康で生き生きと暮らしていける社会の実現を後押ししていく。

――2018年に積水ハウスでダイバーシティ担当の執行役員になってすぐ、男性社員の1カ月以上の育休完全取得を断行し、業界内外から注目を集めた

「意欲のある社員の背中を押したいと思ってきました。振り返ると、家事や育児、介護などの家庭責任を一人で担う女性は残念ながら辞めてしまうケースが多かった。パートナー同士が支え合えば、お互いのキャリアを伸ばせる。男性育休の完全取得を通じて、話し合いのきっかけになると考えました。何よりも子供たちが幸せになりますしね」

《男女雇用機会均等法もない時代に入社。積水ハウス女性初の営業職、店長などを経験する中で、営業では累積300棟販売を達成し、社長表彰も受けた》

「営業職になりたてのころ、会議は男性ばかりで数の圧力を感じたこともあります。一方で、女性ということで目立ち、周囲に覚えてもらえた。自分でも『女性だからお客さまに信頼してもらえないのでは』と不安に思った時期もあったのですが、逆にお客さまから『何で女性がだめなのか』と問われたことがある。性差に焦点をあてていてはナンセンス。必要なことは、お客さまにどれだけの価値を提供できるか。そこに性差は関係ありません」

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筆者:安田奈緒美(産経新聞)

2025年6月12日産経ニュース【経営者列伝】より

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