
滝行を行う参加者=8月9日午後、東京都檜原村(鴨志田拓海撮影)
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東京都檜原村の臼杵山天光寺で、「滝行」などの修行体験が行われている。三連休初日の8月9日、滝行の様子を取材し、記者も実際に体験した。参加者らは、連日の猛暑などで疲れた心身を冷たい滝の水でリフレッシュしていた。

檜原村は東京都の西部、山梨県との県境に位置する人口約2000人の山村。自然豊かな環境は「東京の奥座敷」と呼ばれている。天光寺は真言宗系の寺院で、滝行をはじめ瞑想、写経、企業研修など様々な修行体験を提供している。

滝行は、無我の中で自分自身を見つめ、煩悩を取り払う修行。この日は老若男女の約40人が滝行に挑んだ。

滝に向かう前に、天光寺で作法の練習や読経をし、塩とお酒で身を清め、「お百度参り」を行った。


山の中にある滝までは、天光寺から車と徒歩でおよそ20分。途中の山道は未舗装で、参加者は岩や草木で足場が不安定な道を登っていった。

滝行が始まると、弘法大師空海に帰依することを意味する「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」の掛け声を唱え、全身に水を浴びた。滝行を見守る他の参加者も、同様に掛け声唱えて応援した。

約2分間の修行を終えた参加者の多くは、達成感などから笑顔を見せた。天光寺の高尾聖賢住職は「滝行は、本来あるべき姿を取り戻すという目的もあります」と説明する。


友人同士で参加した井塚彩莉さんと加藤玲奈さんは、滝行は初めてといい、それぞぞれ「大変だったけれど、また参加したい」「暑い日々が続いているので避暑にもなりました」と話した。
記者も体験 寒さに震えるも…不思議な達成感
滝行といえば、激しく降り注ぐ水の勢いや、肌を打つ痛さを想像していたが、実際には寒さの方が辛かった。滝に打たれたのが午後5時と遅かったこともあり、体の震えが止まらなかった。ただ終了後は、不思議な達成感に包まれた。

天光寺では冬の滝行も行っているという。極寒の中での滝行は想像するだけで凍えそうだ。

筆者:鴨志田拓海(産経新聞)
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