自民党総裁選後に開かれた両院議員総会であいさつする高市早苗新総裁=10月4日午後、東京・永田町の党本部
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PM Takaichi’s Taiwan Comment:What Did She Actually Say?|JAPAN Forward
(高市首相の台湾答弁:実際に彼女は何を言ったのか|JAPAN Forward)
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高市早苗首相が10月に就任して以降、中国当局や中国の官製メディアによる高市首相への誹謗中傷や日本への批判、情報の歪曲、噓の発信がエスカレートしている。中国当局のなりふり構わぬ数々の偽情報の発信や印象操作は、時に滑稽ですらある。
しかし、噓も言い続ければ本当のことだと錯覚してしまうのが人間である。中国が国家を挙げて日本、そして世界に対して情報戦争を仕掛けてきている現実の中で、日本は何をしたらいいのか。
高市首相は12月17日、臨時国会の閉会後の記者会見で台湾有事をめぐる自身の国会答弁について「日本政府の従来の立場を変えるものではない」と表明し、悪化した日中関係改善のためには「率直な対話」を重ねたいとの意向を示した。

さらに、「懸案や課題があるからこそ意思疎通が重要だ。首脳間を含め、日中間でさまざまな対話を行うことに日本側はオープンだ」と前向きな姿勢を示した。
日本の首相が冷静なメッセージを世界に発信することは重要だ。一方で、中国が発信する情報をきちんと検証し、その噓が独り歩きしないように世界に伝えなければならないだろう。
上の英文(日本語訳)は、英語と日本語のバイリンガル・ニュース・オピニオンサイト、JAPAN Forward(JF)の動画チャンネルに掲載された動画コンテンツの見出しである。台湾有事をめぐる先の首相の国会答弁が中国の官製メディアによってどのようにねじ曲げられたのかを、JFのダニエル・マニング記者が簡潔に英語で解説した1分ほどの短い動画だ。
「高市早苗氏のこんな漫画を見たことある?」。そう視聴者に問いかけるところから動画は始まる。漫画は、高市首相が日本の「軍国主義」を復活させる魔女として描かれ、中国当局やメディアがSNSに投稿した。台湾有事で日本が中国に派兵すると高市首相が答弁したとする偽情報を、中国メディアのほか、英誌エコノミストまでも伝えたことがその根拠となった。
中国側は、そうした偽情報を訂正するどころか、今月初めに発生した中国軍機による航空自衛隊機へのレーダー照射の問題でも、日本側を非難する始末で、危険な挑発行為を改めるつもりはなさそうだ。
中国はなぜ、それほどまでに日本と高市首相を敵視するのか。
日本の政治に揺さぶりをかけ、日米関係の分断を図る目的があるのかもしれない。あるいは、日本という仮想敵をつくることで緊張を高め、軍や政治指導部の結束を強めることが狙いなのかもしれない。また、不調な経済を覆い隠す目的があるのか。いずれにしても、日本は今後、こうした中国やロシアの偽情報プロパガンダと長期間にわたり戦わなければならなくなるだろう。
JFは先日、サポーターたちとの懇親会を開き、進化するバイリンガル・メディアとして新たな戦略を公表した。その中で、今回紹介したような動画やポッドキャストといった媒体を積極的に活用して、記事の発信だけにとどまらない新しいメディアとして脱皮していくことを伝えた。
来賓として参加した片山さつき財務大臣は「強い経済、強い日本をともにつくろう!」と挨拶した。
「強い日本」はアジア、そして世界の安定と平和に不可欠だ。日本はそのために、国際的な情報発信力の強化を避けて通ることはできない。JFは情報戦争の時代に突入したいま、どこにもない日本の新たなメディアへと進化と脱皮を重ねていきたい。
筆者:内藤泰朗(JAPAN Forward編集長)
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2025年12月22日付産経新聞【JAPAN Forward 日本を発信】を転載しています
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