高市早苗首相と来日する韓国の李在明大統領が、高市首相の地元・奈良で会談する。首脳同士の相互往来であるシャトル外交の一環。
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会談前に握手する高市早苗首相(左)と韓国の李在明大統領=2025年10月30日、韓国・慶州(共同)

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高市早苗首相と来日する韓国の李在明大統領が1月13日、高市首相の地元・奈良で会談する。首脳同士の相互往来であるシャトル外交の一環だ。

これに先立ち、中国の習近平国家主席と国賓として訪中した李氏は5日、北京で会談した。中国側は李氏を歓待し、両首脳は15件に及ぶ経済協力関連の了解覚書に署名した。

習氏は会談で李氏に「80年以上前、中韓両国は多大な民族的犠牲を払って日本軍国主義との闘いで勝利を勝ち取った」と語った。さらに「(韓国は)歴史の正しい側に立ち、正しい戦略的な選択をすべきだ」「中韓は地域の平和を守り、世界の発展を促進する重要な責任を担っている」と述べ、対日共闘を呼びかけた。

北京で握手する習近平国家主席(右)と韓国の李在明大統領=1月5日(聯合=共同)

中国政府は、高市首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発している。親米・親日だった韓国の尹錫悦前政権下で冷え込んだ中韓関係を改善し、李氏を厚遇して日韓、ひいては日米韓3カ国の分断をはかる狙いがあるのは明らかだ。

だが国益優先の「実用外交」を掲げる李氏は「(中韓)両国は国権を奪われた時期に手を携えた関係だ」と応じるにとどめ、日中の対立とは距離を置く姿勢を見せた。習氏はあてが外れた格好だ。

奈良県庁に掲げられた日韓首脳会談歓迎の横断幕

韓国には今、根強い対中不信が存在する。米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備が決まった2016年以降、中国は韓国への圧力を強め、韓国の音楽やドラマの中国での放送や公演は制限されてきた。中国から韓国への団体旅行も禁じられる時期があった。中国が対韓威圧を重ねてきた結果である。

ちなみに、習氏の歴史に関する発言には違和感を禁じ得ない。先の大戦の終結時、中華人民共和国も大韓民国も存在していない。大陸で日本と戦ったのは、主として中華民国の国民党軍だった。また、多くの朝鮮籍の日本国民は、日本の軍人として従軍していた。

13日の首脳会談で、高市首相と李氏には、民主主義国である日韓、日米韓の連携が平和と安定の要である点を力強く発信してほしい。中国、北朝鮮、ロシアという専制国家が盤踞(ばんきょ)する北東アジアの安全保障環境は厳しい。高市首相の外交手腕が問われている。

2026年1月11日付産経新聞【主張】を転載しています

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