高市早苗首相と、来日した韓国の李在明大統領が奈良で会談した。日韓両国を取り巻く安保環境は厳しい。韓国をしっかり日本側に引き付け、安保協力を進めることが重要だ。
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高市早苗首相と李在明大統領=1月13日、奈良市(代表撮影)

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高市早苗首相と、来日した韓国の李在明大統領が首相の地元である奈良で会談した。

日韓、日米韓の安全保障協力を含む戦略的連携が重要だとの認識で一致した。会談で高市首相は「日韓関係を前に進めながら、両国が地域の安定に連携して役割を果たしていくべきだ」と述べた。

李氏は北朝鮮による日本人拉致問題について、日本政府の即時解決方針を支持した。

日韓両国を取り巻く安保環境は厳しい。反日的で核武装した専制国家の中国、ロシア、北朝鮮が連携を深めている。台湾有事の懸念も募る。

首脳会談後、夕食会に臨む韓国の李在明大統領夫妻と高市首相(首相官邸)

地域の平和と安定には、抑止に向けて日韓に加え、日米韓が連携を強めることが欠かせない。重要なのは、韓国をしっかり日本側に引き付け、安保協力を進めることだ。

李氏は5日に北京で中国の習近平国家主席と会談した。李氏を国賓として招き厚遇した習氏は、韓国を中国側に引き込もうとしたが、李氏は日中対立と距離を置く姿勢だった。

李氏は7日の会見で日中対立について「今できることは限られている」とも語っている。韓国は日米との協力を重視し、対中抑止の役割をもっと担ってもらいたい。

対北朝鮮で韓国の安全保障を確保するためには、米国に加え、日本の協力が必要だ。高市首相にはこれを李氏に説き続けてほしい。

会談では経済安保分野の協力を深めるため、関係部局間で議論を進めることでも一致した。サプライチェーン(供給網)の協力について協議した。

中国による軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制強化が念頭にあるとみられる。中国の対日規制強化で、韓国経済にも打撃は避けられないとの懸念が韓国の産業界に広がっている。李氏はこうした声を踏まえたのだろう。

両首脳は日韓の未来志向の協力も議論した。

首脳会談でサプライズのドラム演奏を披露した高市早苗首相(右)と韓国の李在明大統領
(首相官邸)

そこで、李氏に求めたいことがある。韓国軍は昨年、島根県の竹島周辺海域で演習を行った。在韓日本大使館前の慰安婦像は撤去されていない。韓国は環太平洋連携協定(TPP)への加盟を検討しながらも、日本産水産物の輸入規制を続けている。これらは未来志向にふさわしくない。

2026年1月14日付産経新聞【主張】を転載しています

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