G7などが開いた重要鉱物に関する財務相会合は、中国の威圧に対する国際社会の結束を示す重要な取り組み。レアアースの対中依存度を迅速に引き下げることで一致した。
G7 FM Satsuki Katayama KVKS7432RZI7XHZFX3N3OJQMTA

G7とオーストラリアなどによる重要鉱物に関する財務相会合に出席した片山財務相(前列中央)ら(ベセント米財務長官のXから・共同)

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中国の鄧小平がかつて語った有名な言葉がある。「中東に石油あり、中国にレアアース(希土類)あり」。その支配的な供給力を誇示するように、習近平政権がレアアースの輸出制限で他国を威圧する行動は、到底許容できるものではない。

先進7カ国(G7)などが1月12日に開いた重要鉱物に関する財務相会合は、威圧に対する国際社会の結束を示す重要な取り組みだ。オーストラリアやメキシコ、インド、韓国も参加し、レアアースの対中依存度を迅速に引き下げることで一致した。

日本は、台湾有事を巡る高市早苗首相の当然の発言に嚙みつく中国から、軍民両用(デュアルユース)品の輸出管理を強める経済的威圧を受けており、レアアースも対象とされる。

国際的な連携は日本が中国に毅然(きぜん)と対処する上での支えとなる。日本は、国際社会が中国に頼らぬサプライチェーン(供給網)を中長期的に構築できるよう積極的に貢献すべきだ。

片山さつき財務相(春名中撮影)

片山さつき財務相は会合で中国に威圧撤回を求める日本の立場を説明した。参加国で重要鉱物の世界需要の6割を占め、豪州のような資源国も含む会合である。連携の意義は大きい。

中国は劣悪な労働環境や甘い環境対策の下で安価なレアアースを世界に供給しているとされる。会合では、中国に頼らぬ供給網を確立するため、労働条件や人権に関する基準を設けた新市場の創設が議論された。

中国産品との価格競争にさらされる生産者の収益確保に向けて、重要鉱物に最低価格を設ける制度なども協議した。税制や財政措置も含め、各国が取り組むべきことを具体化し、息の長い取り組みとしたい。

とりわけ日本が貢献できる余地は大きいはずだ。日本は平成22年、中国から事実上のレアアースの輸出制限を受けたが、それを教訓に脱中国化を進めた結果、当時9割だった対中依存度が現在6割となっている。

エネルギー・金属鉱物資源機構と双日は豪州企業と組んで希少性の高い重希土類の輸入を始めた。同機構などと仏企業が連携し、重希土類を輸入する計画もある。東京都小笠原村の南鳥島沖では海底のレアアース泥を試験掘削する政府主導プロジェクトが始動したばかりだ。こうした知見を有効活用し、経済安全保障の強化につなげたい。

2026年1月19日付産経新聞【主張】を転載しています

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