イランによるホルムズ海峡の実質的封鎖は、世界が今も化石燃料に支えられていることを改めて知らしめた。日本はその影響をもっとも大きく受ける国の一つ。原油調達の高過ぎる中東依存度のリスクが現実となった。
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ホルムズ海峡が封鎖状態となり、ドバイ沖に停泊する船舶=3月2日(ゲッティ=共同)

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世界は今も化石燃料に支えられている。イランによるホルムズ海峡の実質的封鎖は、そのことを改めて知らしめることになった。

ホルムズ海峡は世界の原油供給の約2割が通過するというエネルギー輸送の要衝である。原油や液化天然ガス(LNG)を運ぶタンカーが自由に航行できなくなれば、世界経済に甚大な影響が及ぶ。原油価格の急騰など市場の動揺が続くのもうなずける。

日本はその影響をもっとも大きく受ける国の一つだ。原油の9割超を中東から輸入しており、その多くがホルムズ海峡を経由する。かねて高過ぎる中東依存度を懸念する声は出ていたが、そのリスクが現実となった。

日本は1970年代に起こった2度の石油危機を経て、原油調達の多角化を進めた。にもかかわらず、石油危機直前でさえ8割程度だった中東依存度がこれほど高くなったのには理由がある。

主要調達先だったインドネシアが、生産量減少と経済発展に伴う自国消費量の増加で原油の純輸入国に転じるなど一部産出国からの調達が大きく減少したのだ。原油は産出国によって性質が異なるが、日本の製油所が中東産原油の処理に適した設備構成になっていることもあり、生産量、埋蔵量ともに十分な余力がある中東に回帰することになったのは必然だった。

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筆者:高橋俊一(産経新聞論説副委員長)

2026年3月8日付産経新聞【日曜経済講座】より

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