偽情報などで人々の認知領域を支配し、その行動を操ろうとする「認知戦」は、事情を知らない一般人も拡散に関わる。中国発の偽情報がが今、日本の脅威になり始めた。
日中首脳会談を前に中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市早苗首相=10月31日、韓国・慶州(代表撮影・共同)
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偽情報などで人々の認知領域を支配し、その行動を操ろうとする「認知戦」は、事情を知らない一般人も拡散に関わる病原ウイルスの感染に例えられる。台湾を中心にまき散らされてきた中国発の〝ウイルス〟が今、日本の脅威になり始めた。
「高市早苗首相の祖父は中国を侵略した日本軍の少佐だ」。中国本土で使う簡体字の投稿が中台のSNSで拡散したのは、昨年11月の首相の台湾有事を巡る国会答弁から約2週間後だった。
投稿は数種あり、首相の祖父の名前は「早雄」「利彦」とまちまちだ。共通するのは、ひざまずく中国人青年のそばで刀を振り下ろそうとする旧日本軍将校とされる写真。偽情報はこの人物が首相の祖父だとして「日本軍国主義の復活を打倒せよ」と訴える。
民間団体「台湾ファクトチェックセンター」は、首相の祖父は「正亨(まさよし)」で、無関係の写真を流用した「誤情報」と断じた。同センターの許雲凱(きょうんかい)氏は「起源は明らかに中国だ」と指摘する。
筆者:西見由章(産経新聞)
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2026年3月23日付産経新聞【認知戦 浸透する影響工作】より
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