住友電設と名古屋工業大の安井晋示教授(中央)が完成させた、蛍石を生成する大型プラント=名古屋市(住友電設提供)
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半導体製造に不可欠な鉱物「蛍石(ほたるいし)」(フッ化カルシウム)を高純度で生成する大型プラントを、住友電設と名古屋工業大の安井晋示教授が完成させた。電気設備の絶縁ガスなどとして使われている六フッ化硫黄(SF6)を回収して蛍石を生成するもので、実用レベルでは世界初。日本は蛍石を中国などからの輸入に依存しており、プラント実用化が進めば安定供給につながると期待される。
エアコンなどの家電にも使われ、半導体の製造過程で不可欠なフッ素は蛍石を化学反応させてつくられる。国は蛍石を経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」に指定しているが、世界の天然蛍石の生産量(2025年)は中国が約60%、メキシコ、モンゴルを合わせた3カ国で計約90%を占める。
内閣府は蛍石について「供給が途絶すればほぼ全ての半導体の製造が停止するおそれがあり、他物資による代替は困難。国内需要の全量を輸入しており、過度に海外依存している状況」と危機意識を高めている。
フッ素は大気に放出した場合の温室効果が高い物質としても知られる。現状では、フッ素製品は低濃度の蛍石を含む汚泥として埋設処分されている。温暖化防止と経済安全保障の観点から、フッ素を効率的に回収して蛍石を取り出し、再利用する道が模索されている。
筆者:牛島要平(産経新聞)
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