英王室とゆかりが深く、「アカペラの王様」と呼ばれる英国の「ザ・キングズ・シンガーズ」(TKS)が、新型コロナウイルスの感染拡大で中止した来日公演に代わり、初のオンライン日本公演(主催:JAPAN Forward、後援:産経新聞など)を行うことが決まり、10月14日正午、同公演の視聴券販売が始まった。
公演名は、TKSが昨年から温めてきた「ファインディング・ハーモニー(調和の探求)」プロジェクトの第1弾「Heiwa (平和)」だ。ヤマハ・ミュージック・ヨーロッパが支援し、一般社団法人・日英協会のほか、(株)テンポプリモ、(株)コーラスカンパニー、日英音楽協会が協力、駐英国日本大使館による「日英文化季間」の公式イベントとして執り行われる。
グラミー賞を2回、エミー賞も受賞したTKSは、英国の権威グラモフォン誌の殿堂入りアーティストに選ばれている。
世界が混迷する中、音楽の力で人々をつなげハーモニーを取り戻す―。そんな「ファインディング・ハーモニー」世界プロジェクトの第1弾となる日本公演では、日本人作曲家、木下牧子、土田英介の両氏が書き下ろした新作2曲がお披露目されるほか、『君が代』や『ふるさと』、『ねむの木の子守歌』(上皇后美智子妃作詞)、武満徹作曲『手づくり諺』など日本の曲から欧米のポップミュージックまで全13曲が演奏される。
TKSは今月、広島を皮切りに福島で終わる8公演を予定していた。特に、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた福島では、地元の子供たちとの合唱などのチャリティー・イベントを計画していた。
TKSのジュリアン・グレゴリー(テナー)と、クリストファー・ブリュートン(バリトン)は、JAPAN Forwardとのインタビューで「今年の日本公演がキャンセルされたことは本当に残念だ」と述べ、「私たちは、ファインディング・ハーモニー・プロジェクトの最も重要な要素の一つに日本と日本の文化があると考え、今回のオンライン日本公演を行う。それだけ日本を愛している。今年はダメでも、来年秋か、再来年のクリスマスには訪日し、ファンの皆さんに直接会いたい。それまでは、せめてオンライン公演で私たちの活動を見守っていて欲しい」とのメッセージを寄せた。
世界最高のヴォーカル・アンサンブルとして評価を不動のものとしている「アカペラの王様」が、世界初演となる日本人作曲家の新作を発表し、混沌とする世界にどんなハーモニーを日本から響かせるのか、しばし耳を傾けてはいかがだろうか。
公演時間は約50分。24日午後7時から31日までの1週間、繰り返し視聴することができる。オンライン日本公演視聴券の値段は3000円(税込み)。以下のサイトから購入できる。
https://eplus.jp/thekingssingers/
(JAPAN Forward編集部)