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米ハリウッド大作「ゴジラvsコング」が2日、ついに日本に上陸する。コロナ禍以降の世界で大ヒット。日本が誇る怪獣王は、海の向こうでも大暴れしている。また、小栗旬(おぐり・しゅん)(38)が、ハリウッド進出を果たした。この撮影を通じ「自分の中に新しい火がともった」と目を輝かせる。小栗が、世界進出への意欲などを語る。
「ゴジラvsコング」は、米ワーナー・ブラザースなどが「GODZILLA ゴジラ」(2014年)を皮切りに手掛ける怪獣映画シリーズの4作目。ゴジラが出るのは、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(19年)に次いで3作目。いよいよハリウッドの怪獣王、キングコングと対決するが、予想外の敵も現れる。
小栗が演じる芹沢蓮(れん)は、前2作で渡辺謙(61)が演じた芹沢猪四郎(いしろう)博士の息子。果たして蓮の目的は何か? 身長184センチの小栗は、ハリウッド俳優の中でも見劣りしない。
初めてのハリウッド映画だ。撮影は19年3月、オーストラリアで行われた。「うわあ、なんか、すげえなあ」。製作費は日本映画とはけた違いだ。圧倒もされたが、毎日ワクワクしながら過ごした。「ハリウッド映画にあこがれる子供だったので、ハリウッド映画出演は〝野望〟でした」という。
だが、苦労もあった。日本のトップ俳優もハリウッドでは無名だ。「お前、撮影スタッフだろ?」。ある共演者は、そう言い放った。
そして、英語にてこずった。「ごめん、シュン、やり直しだ」。セリフの中の「サーモン」の発音がおかしいというのだ。なんと300回も言い直しをさせられた。
だが、どれもいい経験になった。「新しい火が自分の中にともった。たとえ今回が単なる〝記念受験〟に終わっても、世界進出は確実にまた挑戦します」
さっそく、ゴジラの撮影後、一昨年の7月から1年間、英語の勉強のため米国で暮らした。本気だ。
真田広之(60)、浅野忠信(ただのぶ)(47)らも国際舞台で活躍している。「渡辺さんが『ラスト・サムライ』に参加したのは42歳。俺も3年後ぐらいに本格的なスタートラインに立っていたい」。先輩らの背中を見つめ、目標を定める。
10月からのドラマ「日本沈没-希望のひと-」(TBS系)は撮り終え、次は来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。鎌倉幕府の実権を握ったら次は世界を狙う。
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ゴジラvsコング 地底の未知のエネルギーを調査しようとする企業が地底への先導役にキングコングを選び、入り口がある南極に運ぶ。だが、海中からゴジラが現れ、行く手を阻む。監督はアダム・ウィンガード。人間ドラマを極力排除。パワーとスピードの怪獣バトルに焦点を合わせ、観客を圧倒する。
「ゴジラvsコング」は、2日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田などで全国公開。1時間54分。
筆者:石井健(産経新聞)