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Ukraine Invasion: Time for Beijing to Rethink Taiwan
(ウクライナ侵略:北京は台湾についての方針を再考するときだ)
先月24日に始まったロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻は、数多くの一般市民が犠牲となる大規模紛争となり、事態は悪化の一途をたどっている。
日本を含む世界中からロシアの侵略に非難の声が上がる。2日の国連総会で、ロシア非難決議に反対したのは、同国とベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリアの5カ国のみだった。
それでも、ロシア軍はウクライナ北部のチェルノブイリ原発に加えて、南部にある欧州最大級のザポロジエ原発を攻撃、占拠するという前代未聞の暴挙に出た。さらに、病院や学校、一般住宅、劇場も標的として攻撃は無差別的な色合いを強めている。
米国のバイデン大統領は、ロシアのプーチン大統領を「戦争犯罪人」と呼び始めた。
なぜ、プーチン氏はそれでもウクライナへの軍事侵攻を止めないのか-。
英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)は連日、ウクライナに関する記事を掲載するほか、11日には、日本語版ポッドキャスト(音声配信)のサービスを開始。プーチン氏がそこまでして求めているものは何か、出演したウクライナ人国際学者のアンドリー・グレンコ氏に尋ねた。
同氏によると、プーチン氏は、ロシアとウクライナは同じ民族であり一つの国家になるべきだと信じている。そして、偉大な国家・ソ連の崩壊で不当に奪われた領土を、ロシアは取り戻さなければならないという妄想を抱いている。それが今回の軍事侵攻の根底にあると指摘した。
そのうえで、「プーチン氏はクリミア半島とウクライナ東部で続けて領土奪取に成功した。今回も、ロシアの圧倒的な軍事力をもってすれば、ウクライナ人は喜ばずとも抵抗はせず、比較的短期間でウクライナを掌握できるとふんでいた」と指摘した。だが、そうはならず、戦争は泥沼化への道を歩み始めた。
上の英文(日本語訳)は、この2週間にJFに掲載された中で最も読まれた記事の見出しだ。
記事は、元米海兵隊大佐のグラント・ニューシャム氏が執筆したものだ。同氏はまず、それでも軍事力に勝るロシアがウクライナを屈服させることはできると指摘。しかし、ロシアの侵略によって欧米は団結することを学んだ。経済制裁やロシアとの関係を遮断することで、ロシアは長年にわたり国際社会で孤立し、経済的にも困窮することになるだろうと警告した。
最後に、台湾の統合を望む中国は、ロシアのウクライナ侵略から、反抗する者を力で服従させることが実際にはいかに困難であるかということを学んだはずだとし、台湾統合に向けた方針の再考を促した。
ただ、プーチン氏は、もっと重大な問題を世界に突き付けた。同氏は、西側諸国が軍事介入すれば、核兵器を使用する可能性があると警告したのだ。
国連安保理常任理事国のロシアが核で脅しながら他国の主権を侵害した事実は今後、核兵器に関する議論を世界で巻き起こすことになるだろう。
日本は長年掲げてきた非核の原則を堅持することで安全を担保することができるのか。核で脅され、領土を奪取されたら、日本は対応できるのか-。JFは、今回のロシアのウクライナ侵略から学び、日本の安全保障に不可欠となった防衛力強化の議論を発信していきたい。
(JAPAN Forward編集部)
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※「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています