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Treasure from Trash: Tsuneishi Kamtecs Turns Industrial Waste Into Gold, Silver
(ゴミから宝物:産業廃棄物を金や銀に変えるツネイシカムテックス)
ロシア軍によるウクライナ侵略に関するニュースは今や、世界の報道の中心となった。英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)も、ロシアによる核兵器使用の懸念や日本の防衛力強化の重要性など、日本で起きている最新の議論について連日伝えている。
JFで直近2週間に掲載され、最も読まれたトレンディング記事のトップ10の実に半分は、ロシアの侵略に関する記事だった。
たとえば、先週末のランキングをみると、「ウクライナ危機で急速に活発化する日欧関係」(10位)、「ロシアによる停戦破りと欺瞞(ぎまん)の歴史を思い出せ」(8位)、「安倍晋三元首相インタビュー『防衛に努めぬ国と共に戦う国はない』」(6位)、「ロシアによる核兵器使用を懸念する日米両国」(3位)といった具合だ。安全保障への関心が高まっている証左なのだろう。
ただ、先週のトレンディング記事の1位は実は、ロシアの侵略とはまったく関係がない環境技術にかかわる記事だった。上にある英文(日本語訳)がその記事の見出しだ。
リサイクル・産廃処理会社「ツネイシカムテックス」(広島県福山市)が埼玉工場で一般家庭ゴミの焼却灰から金や銀などの有価希少金属を取り出し、売却して利益を得ていることを紹介した記事だ。その売却益は毎月250万~300万円にもなるという。
さらに、残った灰は焼成して無害化し、人工砂にして土木資材として売りに出されている。ゴミの完全リサイクル化を目指す最先端の現場を、JFの記者が取材しリポートした内容だ。SNS上には、「魔法のような技術だ」などの反応が寄せられている。
このほか、トレンディング記事の最上位に迫っているのは「日本は原発を再稼働させ、ウクライナ危機終結の手助けをせよ」との記事だ。経済評論家の渡邉哲也氏がJFに寄稿した。
渡邉氏はその中で、ウクライナ危機が日本を含む世界のガスや石油、電力の価格高騰をもたらしたとしたうえで、日本は「これを解消するためには、再生エネルギーの計画を一時的に凍結し、安全な原発を再開し、発電コストを引き下げるしかない」と断言。「(原発再稼働で)日本の天然ガス需要を減らすことは欧州へのガスの振替を可能にすることを意味し、ウクライナ問題の解決にも一役買うものになる」と強調した。
さらには、「原発の再開は、今の日本のエネルギー事情を大きく改善するだけでなく、産業界の国際競争力を取り戻す原動力にもなる」と締めくくった。
ロシアは、核兵器で世界を脅し、侵略と残虐行為を続けている。ロシア産天然ガスや石油への依存からの脱却を進め、制裁を一層強化するには、日本の原発再稼働は、もはや避けては通れないだろう。
安全な原発は、地球温暖化の一因ともなっている二酸化炭素(CO2)などを排出しない環境技術の巨大装置でもある。完全リサイクルや省エネ、原発といった日本の環境技術で世界を救うことができたら夢のようではないか。
JFは、そんな人々の暮らしに貢献できる日本の環境技術や持続可能な社会への取り組みをこれからも積極的に世界に発信していきたい。
(JAPAN Forward編集部)
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※「日本を発信」シリーズは、産経新聞のオピニオン面に掲載された記事を転載しています