
宮中茶会に招いた第9回アフリカ開発会議(TICAD)の各国首脳夫妻らを出迎えられる天皇、皇后両陛下=8月22日午後、皇居・宮殿「春秋の間」(酒井真大撮影)
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天皇、皇后両陛下は8月22日、「アフリカ開発会議(TICAD)」に出席した27カ国とアフリカ連合委員会の首脳夫妻らを招き、皇居・宮殿の「春秋の間」で茶会を主催された。
天皇陛下は民族衣装などを身にまとったアフリカの首脳ら37人を前に「この会議が、アフリカ諸国のさらなる発展と人々の幸せに寄与していくものとなることを期待しております」とお言葉を述べられた。

秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さま、両陛下の長女の敬宮(としのみや)愛子さま、常陸宮妃華子さま、寬仁親王妃信子さま、三笠宮家の彬子さまと妹の瑶子さま、高円宮妃久子さまも陪席された。

両陛下は茶会の後、明治記念館(東京都港区)を訪れ、アフリカに貢献した医学・医療関係者を顕彰する「野口英世アフリカ賞」の授賞式に臨席された。賞にはマラリア治療に携わるマリ出身の研究者とスイスを本部に治療薬の開発などに取り組む研究開発組織が選ばれ、両陛下は受賞者と懇談された。

両陛下は26日午後、静養のため那須御用邸付属邸(栃木県那須町)に入られた。両陛下は御用邸の敷地内で、先の大戦で日米両軍が激戦を繰り広げた硫黄島(東京都小笠原村)から疎開し、那須町で暮らす女性らと面会された。

女性らは疎開や那須町に移住して開拓を行った当時の状況を語り、陛下は「つらい思いをなさいましたね」と聞き入られた。皇后さまも「よくご無事で」と寄り添われた。
長野県軽井沢町で静養中の上皇ご夫妻は23日、戦後に旧満州から引き揚げた人々が入植した大日向(おおひなた)開拓地に足を運び、昭和天皇の御製が刻まれた記念碑をご覧になった。
ご夫妻はキャベツ畑をご散策。上皇さまはキャベツの葉の様子について「巻いている」と話され、上皇后さまは周囲に広がる山々を眺め「お山がよく見えてるね」と微笑まれた。

佳子さまは23日、2025年大阪・関西万博の会場を訪れ、リサイクルがテーマの「日本館」を視察された。日本の観測隊が南極で発見した世界最大級の「火星の石」などをご覧に。藻類の展示では「藻類はこんなに効率的なんですね」と伝えられた。

その後、輪島塗で作られた地球儀「夜の地球 Earth at Night」をご見学。地球儀は、昨年1月の能登半島地震でも無傷だったことから復興のシンボルとされており、日本工芸会の総裁を務める佳子さまは「見られてよかったです」と話された。

佳子さまは、今年6月に訪問したブラジルや令和5年に訪問したペルーのパビリオンにも足を運ばれた。

彬子さまは23日、英国で開催されるラグビー女子ワールドカップ(W杯)を視察するため、羽田空港から民間機で出発された。彬子さまは日本ラグビーフットボール協会の名誉総裁を務められている。
久子さまは24日、日本武道館(東京都千代田区)で開催された第41回高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会の授賞式に臨まれた。

久子さまの長女、承子さまは22日、2025年大阪・関西万博で、国連の式典にご臨席。国連やイタリアのパビリオンを視察された。
筆者:中村昌史、吉沢智美(産経新聞)
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2025年8月29日産経ニュース【皇室ウイークリー(912)】を転載しています
【皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。
また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。
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