兵庫県姫路市の古墳時代の遺跡から出土した小動物の足跡のようなくぼみが付いた須恵器が近く、他の出土品とともに市重要有形文化財に指定される。くぼみは、その大きさや形などからネコが付けた足跡とみられている。
cat pottery

ネコの足跡が付いたとみられる須恵器(姫路市教育委員会提供)

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兵庫県姫路市の古墳時代の遺跡から出土した小動物の足跡のようなくぼみが付いた須恵器が近く、他の出土品とともに市重要有形文化財に指定される。くぼみは、その大きさや形などからネコが付けた足跡とみられている。ネコが文献資料に初めて登場するのは平安時代初期だが、それ以前の古墳時代にはすでにネコが人間の身近な存在だったことを示す資料だ。

この須恵器は、古墳時代後期(6世紀後半~7世紀中頃)に築かれたとされる群集墳「見野古墳群」(同市四郷町)の6号墳から出土した副葬品の一つ。食べ物を供えるのに使った「坏身(つきみ)」と呼ばれる器だったとみられる。最大径15・2センチ、高さ4センチ。足跡は器の内面に残っており、器を焼く前の生乾き状態で付いたと考えられる。

平成17~20年度に市の教育委員会と立命館大文学部が見野古墳群を調査した際に、足跡の付いた須恵器が見つかり、立命館大が分析。4つの肉球が扇形に並んでいることや爪の痕がないことなどから、足跡は爪を引っ込めて歩く「ネコの可能性が高い」と結論付けた。

4つの肉球が扇形に並んでいることなどからネコの足跡の可能性が高いという

市教委文化財課は「足跡が残るには、生乾きの器が軟らかすぎてもだめで、窯に入れる直前のタイミングに付いたと考えられる。工房で工人たちが器を焼こうとしているそばを、ネコが歩いている様子が浮かび上がってくる」と話す。

同課などによると、ネコが初めて登場する文献は平安初期の説話集『日本霊異記』に慶雲2(705)年の出来事として紹介される逸話だとされている。同課の担当者は「それ以前の古墳時代から、人間にとってネコが身近な存在だった可能性があることを、この足跡が教えてくれる」と指摘する。

市文化財保護審議会は2月、この須恵器を含む6号墳出土品を市重要有形文化財に指定するよう答申。市教委の審議を経て近く指定される見通しだ。

筆者:小林宏之(産経新聞)

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