赤坂の個室サウナで火災が起き、利用客2人が死亡する事故が発生した。需要の拡大に対し適切な安全対策がとられているか、業界や関連当局は早急な確認と対応が必要だ。
P23PMQK22JLTJL6WR4URWNWJJI

Investigators conduct an on-site inspection near a private-room sauna in Akasaka, Tokyo, where a fire claimed the lives of two people, a man and a woman, on the afternoon of December 17 (©Sankei by Naoki Aikawa)

This post is also available in: English

東京・赤坂の個室サウナで火災が起き、利用客2人が死亡する事故が発生した。

サウナは昨今、新たなブームとなっている。需要の拡大に対し適切な安全対策がとられているか、業界や関連当局は早急な確認と対応が必要だ。

火災は12月15日白昼、5階建てサウナ店の3階個室で発生した。利用客の30代夫婦がサウナ室出入り口付近で重なるように倒れていた。サウナ室の出入り口はドアノブ開閉式だが、ドアノブは内側、外側ともに外れて落ちていた。夫婦はサウナ室から出られなかったとみられる。

室内の非常ボタンが押された形跡はあるが、店のオーナーは警視庁の聴取に「電源を入れたことがない」と話しているという。警察は業務上過失致死の容疑適用を視野に、事故や死因、死亡の経緯を調べている。

サウナは今、瀟洒(しょうしゃ)で高付加価値化し、カフェやジムのような都市文化として新たなブームになった。「短時間で自律神経をリセットできるリラクセーション施設」として流行し、利用者は約1650万人(日本サウナ総研推定)に上る。若年層や女性に広がったのが特徴的だ。店舗数は約2千(厚生労働省まとめ)ともいわれる。

一方で、市場拡大に業界や官庁、自治体が対応し、安全対策を徹底できているかは疑問が募る。例えば、今回の事故現場がドアノブ開閉式であることに、「サウナでドアノブは非常識」「押せば開くドアが常識」などの指摘が多く、店側の運営に疑問が出ている。

現在のサウナは上質なリラクセーション施設と受け止められがちだが、「高温火気を使った危険かつ管理責任の重い密閉空間」でもある。特に個室サウナは管理者から目が届きにくい面があり、共用サウナ以上に危険な要素がある。

今回の事件で、サウナへの不安が広がる恐れがある。個室サウナではアクシデントを即時把握する仕組みを確保すべく、業界が消防や自治体と協議し、対応策をとって各事業者に徹底させることが早急に必要だ。

多くの愛好者に支持されるサウナやこれに付随する生活文化は社会の貴重な資産であり、大切にしたい。これが失われないよう、安全対策の向上や積極的な情報の発信が業界や関係当局に求められる。

2025年12月19日付産経新聞【主張】を転載しています

This post is also available in: English

コメントを残す